ライフ

虫歯治療、保険か自費か 値段だけで判断すると歯失うことも

虫歯治療は慎重に

虫歯治療は慎重に

「医療費」を考える時に、見逃してはならないのが、「歯科治療」のお金だ。治療が長期に及んで出費がかさむケースが少なくないし、費用が大きく異なる選択肢が示されることもある。だからこそ、治療費の差で、どんな違いが生じるのか、患者自身が知っておきたい。『週刊ポストGOLD 得する医療費』より、ジャーナリスト・岩澤倫彦氏(『やってはいけない歯科治療』著者)がレポートする。

 * * *
 歯科医院の初診で、必ず確認されるのが「保険の範囲か? 自費も検討するか?」である。この問いに、迷った経験を持つ人は多いのではないだろうか。

 がん治療など医科の保険診療は、有効性が確認された現時点で最適な薬や治療法だ。一方、歯科の保険診療は事情が少々違う。最も重視されるのは、コストパフォーマンスのバランス。全国どこでも同じ水準の歯科治療が、安く受けられるが、患者にとって「最適」な治療とは必ずしもいえない。

 さらに治療によっては、保険診療の点数(=治療費)が、驚くほど安く設定されている。歯科医院は治療費が安い分、短時間でたくさんの患者を治療しなければ経営が成り立たない。結果として、安すぎる保険診療は、手抜きや質の低い治療を招く温床となっているのだ。

 これまで、ベテラン歯科医がレントゲン画像を見て、溜息をつく場面に遭遇してきた。他の歯科医による手抜き治療が一目瞭然だからである。

 歯を残す最後の砦、というべき「根管治療」。歯の根から感染物質を除去する治療だ。保険診療の費用は、1歯あたり数千円から1万円程度。一方、マイクロスコープという医療用顕微鏡を使用した自費診療は10万~20万円と高額になる。しかし、10年後、保険で治療した歯を失い、自費は歯が残っているとしたら、どちらが本当に「お得」なのだろうか?

 患者としては、初診時に保険と自費の違いを丁寧に説明してほしいところだが、「儲けたい営利主義の歯医者」という誤解を受ける可能性を恐れて、大半の歯科医は説明に消極的だ。 そこで本稿では、「保険と自費」の違いとは何なのか、費用、素材、治療内容、治療後の経過まで徹底比較した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「日本ではあまりパートナーは目立たない方がいい」高市早苗総理の夫婦の在り方、夫・山本拓氏は“ステルス旦那”発言 「帰ってきたら掃除をして入浴介助」総理が担う介護の壮絶な状況 
女性セブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン