大資本系は、そのスケールメリットを活かす戦略を立てている。すかいらーくホールディングス広報の北浦麻衣氏が言う。
「『から好し』は『ガスト』の店舗を活用した複合業態の出店に力を入れています。今の社会状況では新規出店は難しいですが、このスタイルなら限りなく少ない投資で店舗展開が可能です。現在は9店舗のみですが、2021年3月末までに1140店舗に拡大予定です」
この複合業態が成功すれば、業界勢力図が塗り変わる可能性もある。では、このブームはいつまで続くのか。「焼き牛丼」、「立ち食いステーキ」、「タピオカ」など、ここ10年の飲食業界では様々なバブルが膨らみ、そして弾けていった。前出の外食ジャーナリスト・中村氏が指摘する。
「馴染み深いメニューとはいえ、からあげが牛丼のように定着するかは未知数です。各チェーンは部位やタレで差別化を図っているが、すでにアイデアが出尽くしている感も否めない。大規模なフランチャイズ展開は、新型コロナが収束して外食産業が盛り返したときにリスクとなる可能性もある。生き残り戦争は熾烈になっていくでしょう」
飛ぶ鶏を落とす勢いは、いつまで続くのか。
※週刊ポスト2020年10月2日号