これに対して、当初は静観していた中国当局だが、今年4月、党中央規律検査委員会が任氏を「重大な規律違反の疑い」で起訴。北京市第2中級人民法院は、任氏が2003年から2017年にかけて、職務上の特権を利用して、4974万元以上の公金を横領し、125万元以上の収賄を受け、6120万元を横領したとして、これらすべての罪を認める有罪判決を下した。また、任氏の息子や秘書も逮捕されたとの情報もある。
任氏のような著名な企業経営者はよほどのことがない限り、逮捕は免れるのが通例だ。とくに、任氏は国家に貢献した大幹部の子弟でもあり、有罪判決は考えられない。しかし、最高指導者の逆鱗に触れたとなれば話は別だ。その意味で、今回の判決は極めて政治性が高いといえよう。