スポーツ

楽しく競馬を続けるために 後悔回避(KK)の工夫について

後悔しない「競馬との向き合い方」を考察する

後悔しない「競馬との向き合い方」を考察する

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家であり、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、競馬を楽しく続けるためのメンタルの整え方についてお届けする。

 * * *
 電線もビルの影もなにもない、あの贅沢な広い空が恋しい。早く競馬場に戻りたい。ラストの直線、腹の底から声をぶつけたい。バカヤローの罵声だって、大きな空が吸いあげてくれる。

 蟄居競馬では目線は下がってばかり。そのせいかどうか、どうもメンタルの塩梅が芳しくない。やるせないのである。

 どんよりの原因は明白。スカっと勝てないから。馬券術の巧拙は横に置いておいて、なんとかメンタルの揺れを抑えたい。どこか切ないセプテンバーソングを思い出す季節でもあり、「中高年期の危機」とも言われる年齢だし、競馬とは長く付き合っていきたいし。

 症状の客観視から。曜日別の差が顕著だ。穏当なのは火曜から木曜までで、金曜日の午後から脳内にワクワク感が湧いてくる。土曜の10時頃までがもっとも楽しい。そして午後4時にはうなだれている(そうでないときも)。それでも明日がある。ガッツを奮い立たせ、競馬新聞を買いに走る。そして日曜日の夕刻。2日の収支がプラスならばいいけど、ダメなら頭と胸が黒い雲に覆われている。どんよりとした気分は月曜の昼くらいまで続くのだった。

 好きなことをやっているのだ。勝っても負けても、もう少し快くなれぬものか。そうあるべきじゃないか。

 私よりも遥かに競馬歴の長い専門誌の知人に相談した。周囲には彼をも凌駕するベテラン馬券師がうじゃうじゃいるから、人間観察のサンプル数は膨大であろう。

「後悔しないことだね」と彼は即答した。

「馬券の反省は必要。でも後悔は要らない。後悔ばかりだと、胸が痛くなる」。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
“高市効果”で自民党の政党支持率は前月比10ポイント以上も急上昇した…(時事通信フォト)
世論の現状認識と乖離する大メディアの“高市ぎらい” 参政党躍進時を彷彿とさせる“叩けば叩くほど高市支持が強まる”現象、「批判もカラ回りしている」との指摘
週刊ポスト
国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)
《私生活の面は大丈夫なのか》玉木雄一郎氏、不倫密会の元グラビアアイドルがひっそりと活動再開 地元香川では“彼女がまた動き出した”と話題に
女性セブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
前伊藤市議が語る”最悪の結末”とは──
《伊東市長・学歴詐称問題》「登場人物がズレている」市議選立候補者が明かした伊東市情勢と“最悪シナリオ”「伊東市が迷宮入りする可能性も」
NEWSポストセブン
日本維新の会・西田薫衆院議員に持ち上がった収支報告書「虚偽記載」疑惑(時事通信フォト)
《追及スクープ》日本維新の会・西田薫衆院議員の収支報告書「虚偽記載」疑惑で“隠蔽工作”の新証言 支援者のもとに現金入りの封筒を持って現われ「持っておいてください」
週刊ポスト
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン