芸能

恐怖倍増させる黒木瞳の“無表情” 『恐怖新聞』で怪演

”怪演”が話題の黒木瞳

 恐怖新聞が届くようになった女子大生の恐怖の日々を描くドラマ『恐怖新聞』(フジテレビ系)。出演する黒木瞳(60才)の演技が「怖すぎる」と話題を集めている。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 歌舞伎俳優たちの豪快な顔芸が話題になった『半沢直樹』、眉毛を吊り上げていびりまくる観月ありさが注目された『私たちはどうかしている』など、表情筋の限界に挑戦しているような演技が目立つ昨今。それとはまったく違う表現で迫力を見せているのが、『恐怖新聞』の黒木瞳だ。

 物語は、京都の女子大生・小野田詩弦(白石聖)のもとに、不幸を予言し、読んだ者の寿命を縮める「恐怖新聞」が届くようになり、その通りの出来事が起こるようになるというもの。やがて彼女の幼友達・桃香(片山友希)、恋人の松田勇介(佐藤大樹)、母・歌子(黒木)も巻き込まれ、次々と残忍な事件が勃発する。つのだじろうの原作漫画におののいていた世代としては、シリーズ構成が乙一、演出が『リング』の中田秀夫監督と聞けば、怖さ百倍。おそるおそるドラマを見る有様だが、びっくりするのは黒木瞳が恐ろしい所業を次々としてのけることだ。

 そのパワーが炸裂したのが第5話。突如時代劇になって、何が起こったのかと思ったが、それは現世に至る因縁話だった。夫を目の前で惨殺され、血まみれになって正気を失った臨月の娘(白石)が腹の子からお告げを受け、次々と凶事を予言するようになる。母親(黒木)は心配しているが、実は、夫を殺し、娘に怪しげな薬を飲ませて、胎児を角がはえた人間の頭と牛の体を持つ“件”(くだん)という妖怪に変化させたのは、欲にまみれた母だった!

「おっ母さんは鬼だ」という娘や助けようとした僧侶をグサリと刺し殺し、「地獄へ墜ちな、くそ坊主」と言い放つ母。その顔は冷たく、暗く、無表情。おお、これこそ、ギラギラと熱く輝く歌舞伎系の顔芸とは対極の黒木の“逆顔芸”!

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト