国際情報

トランプ大統領はステロイド投与で無理やり退院したのか

ホワイトハウスに戻り、健康をアピールするトランプ氏(Sipa USA/時事通信フォト)

 トランプ大統領のコロナ感染で前代未聞の展開を見せるアメリカ大統領選挙だが、トランプ氏はなかば強権を発動して早期に退院し、ホワイトハウスに戻った。しかし、一般国民であればどんな要職の者であろうと、感染拡大の危険がある2週間は隔離される。大統領だから許されると言わんばかりの行動には、アメリカ国内はもちろん、世界中から疑問と非難の声があがっている。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏は、トランプ氏の容態は陣営が言うほど軽くないのではないかと疑問を呈する。

 * * *
 コロナウイルスに感染したトランプ大統領の動きは何もかもが唐突で、アメリカのメディアは右往左往している。コロナウイルスに捕まれば、2週間の間に様々なことが起きる。最悪のケースは死である。アメリカではすでに20万件を超える悲劇が起きており、老人やマイノリティに、死のケースは集中している。重症化率や死亡率が低い日本とは根本的に恐怖のレベルが違うのである。

 アメリカや世界のメディアがつかめずにいるのがトランプ大統領の本当の容態である。医師団が記者会見を行っているが、肝心要の質問にはエリート医師たちは答えない。この沈黙は大いに示唆的だ。選挙を優先して本人の健康や感染拡大のリスクを後回しにすれば、大きな間違いを犯すことになるだろう。

 トランプ大統領の唐突な行動の最たるものは、突然、入院していた病院を退却し、我が家であるホワイトハウスに戻ったことだろう。大統領選挙を戦うには、病院ではなくホワイトハウスにいなければならないと判断したと思われる。トランプ支持のFOXニュースなどは、その行動を勇気ある決断だと英雄視するが、それに付き合わされる医療スタッフやホワイトハウスのスタッフたちはたまったものではない。身勝手なボスの選挙のために命の危険に晒されるのである。万が一、ホワイトハウスでさらに感染が広がれば、そして重大な結果を招けば、トランプ氏の軽率な行動は厳しく断罪されることになる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

死亡が確認されたシャニさん(SNSより)
《暴徒に唾を吐きかけられ…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の母親が“残虐動画の拡散”を意義深く感じた「悲しい理由」
NEWSポストセブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
大谷翔平、始球式サプライズに「なんてナイスガイなんだ」と全米絶賛 幻となった“真美子夫人の始球式”は7月以降に実現の可能性
女性セブン
9月の誕生日で成年を迎えられる(4月、東京・町田市。写真/JMPA)
【悠仁さまの大学進学】幼稚園と高校は“別枠”で合格、受験競争を勝ち抜いた経験はゼロ 紀子さまが切望する「東京大学」は推薦枠拡大を検討中
女性セブン
所属事務所は不倫を否定(時事通信フォト)
《星野源と新垣結衣が完全否定》「ネカフェ生活」NHK・林田理沙アナとの疑惑拡散の背景「事務所が異例の高速対応」をした理由
NEWSポストセブン
【ネットは見なければ平和】大ヒットエッセイ『九十歳。何がめでたい』が映画化、佐藤愛子さんのかっこよすぎる生き方と考え方
【ネットは見なければ平和】大ヒットエッセイ『九十歳。何がめでたい』が映画化、佐藤愛子さんのかっこよすぎる生き方と考え方
女性セブン
スキャンダル写真で芸能界を震撼させた『BUBKA』
《90年代アイドルを震撼させた月刊誌『BUBKA(ブブカ)』》の創刊編集長が急死していた スキャンダル写真で物議「スクープ100万円」「複数訴訟」の全盛期
NEWSポストセブン
杉咲花と若葉竜也に熱愛が発覚
【初ロマンススクープ】杉咲花が若葉竜也と交際!自宅でお泊り 『アンメット』での共演を機に距離縮まる
女性セブン
5月に入り病状が急変し、帰らぬ人となった中尾彬さん
【中尾彬さん逝去】数か月体調優れず、5月に入って容体が急変 葬儀は近親者のみ、妻・池波志乃さんは憔悴しながらも参列者に感謝
女性セブン
全国赤十字大会ではスピーチに目を潤ませる場面もあった(4月、東京・千代田区。写真/JMPA)
『虎に翼』を楽しんでいらっしゃる雅子さまと愛子さま 女性天皇への期待高まるなか、揺れるお立場に「日本初の女性弁護士の物語」を重ねられて
女性セブン
女子ゴルフ界の新星として注目を集める清本美波
【プロテストでトップ合格】女子ゴルフ界の新星・清本美波、女子大生と二足のわらじを履く18歳「目標はタイガー・ウッズ」
週刊ポスト
詐取の疑いで逮捕された元宝塚“大滝子”こと光原エミカ(HPより)
《『水ダウ』ざます企画に出演》元宝塚・月組トップスターが現金1000万円詐取の疑いで逮捕「ディナーショーが8万円に値上がり」ファンが察知した違和感
NEWSポストセブン
亡くなったシャニさん
《7か月を経て…》ハマスに半裸で連行された22歳女性が無言の帰宅、公表された最期の姿「遺体の状態は良好」「肌もタトゥーもきれいに見える」
NEWSポストセブン