国内

食べ終えたのに返金を強要 こんなクレーマーにどう対応?

食べ終えた料理に対するクレーム。適切な対処は?(写真はイメージ)

「お客さまは神様です」という言葉を笠に着て、わがままを通そうとするカン違い客がここ最近増えているという。そもそもこのフレーズは、歌手の故・三波春夫さんが信条にしていたもので、本来の意味は、神前で祈るときのように雑念を払い、澄み切った心にならなければ完璧な藝を披露できない、だからお客さまを神様とみて歌を歌うというもの。真意がねじ曲げられて広まったのだ。

 商売をやっている者にとってクレーマーは悩みの種。どうやって乗りきればいいのか? ある飲食店のケースを紹介し、専門家にその対処法を聞いた。

 * * *
 飲食店でパートをしているのですが、あるとき、女性客が「冷やし中華」と「チャーハン」をテイクアウトしていきました。翌朝、その女性客が怒りの形相で、

「昨日ここで買った冷やし中華をさっき食べたんだけど、麺はカチカチだし、チャーハンなんてベチャベチャ。返金しなさいよ!」

 と駆け込んできました。時間が経って食べたらそうなるだろうと、理不尽さを感じたものの謝罪をし、「作りたてに交換いたしますので」と、商品を返してもらおうとしたところ、

「は? 全部食べたに決まってるでしょ。それでまずかったから来てやったんでしょうが。店長呼びなさいよ!」

 その日は店長が不在。女性客の高圧的な態度に圧倒された私は結局、返品なしの返金に応じてしまいました。

 後日、店長に経緯を伝えると、「大変だったね」と労ってくれた上で、入り口に貼り紙をしてくれました。

「ある女性客の言動でスタッフが精神的苦痛を受けました。今後、このかたを出入り禁止にします。入店された場合も注文は受けません」

 と、その客を“出禁”に。スタッフを守ってくれた店長の対応に救われました。

●専門家の解説 「店も客を選べる行きすぎたクレームは強要罪になる場合も」

「“出禁”は最終手段なのであまりおすすめはしませんが、民法には『契約自由の原則』があり、店も客を選べます“「土下座しろ”といった要求は強要罪にあたるため、“お客さまが罪に問われる恐れがあるので控えさせていただきます”と断ってOK」(ネガポジ代表の益田麻実さん)

【プロフィール】
益田麻実さん/ネガポジ代表。大手旅行代理店の顧客相談室にて年間4万件ものクレームに対応。現在は、クレーム対応コンサルタント。

取材・文/村瀬真紀

※女性セブン2020年10月29日号

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン