ビジネス

コロナ禍の「勝ち組企業」はなぜ北海道発祥ばかりなのか

イオンと壮絶バトルの過去

 また、アインは小売業最大手イオンを相手に、壮絶なバドルを繰り広げ名前を高めた。

 2007年、アインはドラッグストアのCFSコーポレーションと経営統合を発表。アインはドラッグストア部門を、CFSは調剤薬局を強化する狙いがあった。これにCFSの筆頭株主のイオンが強く反発。委任状争奪戦の末、2008年1月のCFSの株主総会で、統合案は否決され、破談となった。

 2008年4月、アインはセブン&アイホールディングスと資本・業務提携した。アインのドラッグストア事業は、5期連続の営業赤字で、立て直しが急務となっていたからだ。そこで、アインとセブンはショッピングセンターへの出店に着手。病院周辺を中心に調剤薬局とコンビニの共同店舗を出店していく。

2008年にセブン&アイホールディングスと資本・業務提携した調剤薬局のアイン(時事通信フォト)

2008年にセブン&アイホールディングスと資本・業務提携した調剤薬局のアイン(時事通信フォト)

 セブンは薬事法改正を見据えていた。医薬品販売の規制緩和である。2009年からコンビニでも条件を満たせば、風邪薬などの大衆薬を販売できるようになった。しかし、期待したほどコンビニでの大衆薬の販売は広がりをみせなかった。

 それには理由があった。医薬品を販売する店舗の営業時間の半分以上に、登録販売業者が常駐するように決められていたが、実際に確保するのが難しかったからである。薬剤師が不在でも大衆薬を売ることができる専門家を登録販売業者と呼ぶ。セブンがアインをパートナーに選んだのも、薬剤師や登録販売業者の育成でアインの協力を得るのが狙いだった。

 現在、セブンはアインの7.76%の株式を保有する第2位の大株主である(20年4月末現在)。

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