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コロナ禍の「勝ち組企業」はなぜ北海道発祥ばかりなのか

「セコマ」快進撃の秘密

 一風変わった形で北海道現象を巻き起こす企業がある。道内を中心にコンビニエンスストアを展開するセイコーマート(略称:セコマ/札幌市、非上場)だ。セコマは道内で1078店、茨城・埼玉両県に92店を有する。

北海道に根ざした地場戦略で強さを見せるコンビニ「セイコーマート」

北海道に根ざした地場戦略で強さを見せるコンビニ「セイコーマート」

 セコマは加工食品や惣菜、菓子、飲料など北海道産の素材を使った商品を売りにした食品スーパー型コンビニだ。道内ではここで食品を購入する主婦が断然多い。

 早くから、セコマモデルと呼ばれる製造・物流・販売の一貫体制を構築し、店内調理の「ホットシェフ」を売り物にしてきた。さらに道内各地域にある食品製造企業を子会社にし、直販を徹底している。目玉のPB(プライベートブランド)商品を道外の系列ではない小売店に卸し、ネット通販を拡充しているのも特徴だ。

 牛乳やアイスクリームなどの乳製品、その他、じゃがいも、とうもろこしなど北海道ならではの農作物の道外への外販で年間160億円の売り上げを達成した。

 セコマは、都心重視やドミナント(集中)出店を是とするコンビニ大手とは一線を画し、住宅街への出店比率が高めるなど、独自の店舗戦略を採ってきた。そのため、コロナ禍の外出自粛により自宅にいる人が増えても、他のコンビニのように売り上げが消滅する事態は避けられた。

 全国チェーンのコンビニの既存店売り上げが軒並みマイナス成長を続ける中、セコマは前年実績を上回っている。地域に根ざした店舗展開がコロナ禍、地力を発揮したということだ。

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