20代社員の健康状態が最悪だった理由
先日、ある企業の経営者から、社員数名の検査の依頼がありました。受診者のなかに20代の男性がおり、私は「彼はまだ、必要ないんじゃないかな」と思っていました。
ところが、骨密度の検査で、その男性の数値がいちばん悪かったのです。普通、20代だと骨密度は100%以上を示すのですが、彼は70%しかありませんでした。この数値は、「骨粗鬆症の疑い」という状態を意味しています。
気をつけて見ていると、たしかに調子が悪そうです。私が検査結果を伝えていてもぼーっとして反応が鈍く、疲れた感じを受けました。
詳しく話を聞くと、その食生活はメチャクチャでした。一人暮らしのため、食べ物はほとんどコンビニで調達し、お菓子とご飯の区別がつかない状態。会社にはカップ麺が置いてあり、空腹を感じたらそれを食べ、家ではコーラとスナック菓子を食べて夕食代わりにしているということです。
彼は、私が説明するまで、食事については、まったく深刻には考えていないようでした。自分の体の中で起きている変化が、よくわかっていないのです。
みなさんも、今のところとくに大きな不調は感じていないかも知れません。だから、自分の体はこのままシワが増えたり筋力が落ちたりと、緩やかに老いていくのだろうと考えているのかも知れません。しかし、それは、健康な体を維持できればの話。誰もがそのように平和に老いていけるとは限りません。
1日のリズムを知って食べるのが理想
食べ物の種類も大切なことですが、そもそも私たちは1日にどのくらいの量を食べたらいいのでしょうか。たとえば、オフィスワーカーの男性なら1日1800キロカロリー相当を摂取する必要があります。
では、1日3食だとして、1800キロカロリーをどう振り分けるのが良いのでしょうか。単純に、同じ量ずつ(600キロカロリー×3回)食べるという人は少ないはずです。実際には、夕食の配分が高い人が圧倒的に多いでしょう。でも、それだと具合が悪いのです。