その上で、1日のおすすめメニュー例を挙げてみましょう。
あっさり済ませたい朝食は、炭水化物をメインに、タンパク質を少量摂ります。具体的には、ご飯(無農薬玄米が理想です)、豆腐とわかめの味噌汁、目玉焼き、納豆、漬物というところでしょう。洋食なら、全粒粉パン、野菜スープ、ゆで卵、サラダ、フルーツを少し添えてもいいでしょう。
しっかり食べていい昼食は、朝食とは栄養素のバランスが変わります。タンパク質をメインに考え、そこに脂質、炭水化物、食物繊維が加わるようにします。タンパク質を摂るためのおかずは刺身や煮魚にして、ご飯、味噌汁に、青菜のおひたしやひじきの煮物などの小鉢が2つ追加されたらベストです。
肉料理に、パン、スープ、サラダといった洋定食でもOKですが、なるべく副菜の品数が多くなるようにしてください。
夕食では、タンパク質と食物繊維を主にして、脂質と炭水化物は控えめにします。夜に食物繊維を摂っておくと、腸内環境が整い翌朝のお通じが良くなります。脂質は消化に長い時間がかかり、夜たくさん摂れば睡眠の質を悪くします。
また、夜は太る時間帯であり、炭水化物は控えめにするか、食べないくらいでいいのです。かつ、全体のボリュームも昼食より軽くすることを考えると、夕食は鍋料理がおすすめです。タンパク質の肉や魚はほどほどに、食物繊維の野菜をたっぷり入れましょう。もちろん、締めの雑炊や麺類はやめておきます。
こうした「食事術」を実践していれば、日々の食事が堅実な「カラダへの投資」に変わり、それはやがて、お金や人間関係と並ぶ、もしくはそれ以上の、究極の「健康資産」になるはずです。
※『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ究極の「健康資産」の作り方』(満尾正/著)より抜粋して再構成
【プロフィール】
満尾正(みつお・ただし)/米国先端医療学会理事、医学博士。1957年横浜生まれ。北海道大学医学部卒業後、内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療の現場などに従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、日本で初めてのアンチエイジング専門病院「満尾クリニック」を開設。米国アンチエイジング学会(A4M)認定医(日本人初)、米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医の資格を併せ持つ、唯一の日本人医師。著書に『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(アチーブメント出版)、『世界の最新医学が証明した 長生きする食事』(同)など。