前回の調査失敗は「学歴」を織り込まなかったから

 では、なぜ前回の選挙では世論調査が失敗したのか? アメリカ世論調査協会は失敗についての報告書を作成して、2017年に公表している。

 そこには、いくつかの失敗の理由が記載されている。その理由の1つとして、学歴の要素を調査に織り込まなかったことが指摘されている。

 世論調査では通常、大卒以上の高学歴の人が調査に協力しやすい一方、高卒の人たちは調査に協力的でないことがあるとされる。このような学歴の要素を加味しないまま調査を行うと、集まった回答のデータに高学歴の人の声ばかりが反映されてしまうというのだ。

 実際に前回の選挙では高卒以下の人が多くトランプ氏に投票したことが判明しており、世論調査ではこの傾向が捉えられなかったという。

 今回の選挙では学歴の要素を踏まえるよう、調査が改良されたといわれている。

“隠れトランプ支持”を見分ける設問

 また、「隠れトランプ支持」という問題もある。バイデン候補の支持者が多いとされる地域では、トランプ大統領を支持している人が、その社会に受け入れられやすい回答としてトランプ支持を隠してしまうという傾向だ。

 逆に、トランプ大統領の支持者が多いとされる地域では、「隠れバイデン支持」の人もいたとされる。こうした「隠れ○○支持」がどれだけいたかは、現時点では分からないが、世論調査の結果に影響を及ぼした可能性はある。

法廷闘争に持ち込む構えのトランプ現大統領だが…(AFP=時事通信フォト)

法廷闘争に持ち込む構えのトランプ現大統領だが…(AFP=時事通信フォト)

 この「隠れ○○支持」を把握すべく設問に工夫を加えた調査もあった。

 例えば、「トランプ氏を支持するか」という質問に続けて、「あなたの近所に住む人の多くはトランプ氏を支持しているか」という質問を設ける。バイデン氏に関しても、同じような質問をする。そして、後者の質問に対して、バイデン氏に関するものに「はい」と答える割合が高い地域には、「隠れトランプ支持者」がいるだろうと判断するわけだ。

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