スポーツ

穴党作家、投入金額が多い騎手の「成績一覧」から知ったこと

データを見なければ気づかなかったこともあるという

データと向き合うことで意外な発見も

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家で、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、騎手頼みになりすぎて失敗する馬券購入についてお届けする。

 * * *
 前回(『週刊ポスト』2020年11月20日号掲載)、Club JRA-Netの「騎手別成績一覧」を久しぶりに見て、ある有力騎手との相性の悪さに驚いたのだった。的中率、回収率が他の騎手と比べて極端に低い。自分の馬券ベタのせいに決まってはいるが、「この騎手、乗れてないんじゃない?」と八つ当たりし、反省した。

 その流れで成績一覧をじっと眺めたのだった。やはり相性はあるんじゃなかろうか。37回買って的中ゼロって騎手もいるし。

 いや、相性というより、自分の騎手への嗜好がわかるのである。

「こうした客観的データは、受け取る人間のセンスでゴミにも宝にもなる」と大学教授が言っていた(娘のリモート講義が耳に入ったのです)。データはネット競馬の賜物だ。ゴミにしてなるものか。

 一覧表は上から投入金額の多い順に騎手名が並んでいる。田辺、松山、浜中、福永、幸がベスト5。続いて和田竜、ルメール、北村宏、戸崎、川田。以上がベスト10だ。

 これはすなわち「須藤贔屓の騎手ランキング」。自分はそこそこの穴党だと思ってはいたが、人気どころの手綱に頼っているのだった。

 各騎手の回収率はもちろん、購入レース数と的中レース数も明示されている。「おや」と思ったのは浜中騎手と和田竜騎手の差。購入数は113と107。しかし的中は浜中23回で和田竜は10回。回収率では浜中94%に対して和田竜は51%。開きがある。どちらの騎手にも良いイメージがあり、同程度の贔屓筋なのに。データを見なければ気づかなかった。

 ゴミか宝か。「たまたまだろ」なんて切り捨てるようではゴミ収集車にダイビングだ。107回買って97回スカってんだから、きっと片思いなんだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン