半付属校でも併設大学への進学者が増加
ここまで受験状況と学校の改革について見てきたが、では実際にどのくらいの在校生が併設大学を選ぶようになっているのか見てみよう。2019年と2020年とを比較してみた。
・共立女子第二/52.8%→58.7%
・昭和女子大学附属昭和/51.1%→58.2%
・女子美術大学付属/69.0%→65.3%
・日本女子大学附属/74.9%→79.5%
併設大学進学者が半数以下の学校のケースとして共立女子第二の本校である共立女子についても見てみたところ、37.1%→42.7%であった。女子美術大学付属は例外として他は共通した傾向を示していた。つまり、2018年→2019年には低下し、2020年には上昇している。
共立女子について上昇の要因を学校に問い合わせてみた。
「いちばん大きいのは、2020年のビジネス学部設置だと思います。これまで、経済系志望者の受け皿がなかったので(あえて言えば国際学部)、今まで目を向けていなかった生徒が注目するようになりました。また、来年度の高3生から、進学希望者がいくつかの学部で聴講生として授業を受講でき、入学した際には単位として認める制度がスタートする予定です。これによってさらに人気が高まる可能性があります」(広報部)
とのことであった。昭和女子大のケースもそうだが、大学側のアグレッシブな姿勢、とりわけ従来なかった分野の進路開発が、在校生に進学先として選ぶことを促し、さらにはそうした改革が受験生・保護者にも伝わり、入試における応募者増につながっているのだ。
これまで述べてきたような改革が広がれば、「半進学校」から「付属校」に戻る学校がさらに増えるかもしれない。