慰謝料をもらった人は13%
財産分与は、慰謝料に比べて金額の幅が大きい。
「妻が専業主婦で定期収入がなかったとしても、結婚してからの財産は2人で築いたと考えられ、半分譲り受ける権利があります。夫名義の不動産や株、銀行口座や証券も対象です。価値があるものなら基本的になんでも対象になるため、過去には1本10万円以上する高級ワインが分与の対象になったこともあります」
養育費は原則として、裁判所の算定表に基づいて決まる。
「例えば、年収が妻100万円、夫750万円、3才の子供が1人の場合、月8万~10万円となります。しかしこれはあくまでも法的な目安であり、実際に養育費を支払っている元配偶者は全体の2~3割しかいないのが現状です。公正証書を作ったり、調停で書面に残すなど法的拘束力のある書面を作っておくことが、非常に重要です」
忘れてはならないのが年金分割だ。離婚した夫婦間の不公平を是正するため、婚姻期間中の厚生年金記録を、夫婦の話し合いにより原則50%に分けることができる制度だ。
「留意しておきたいのは、必ず得をするとは限らないということ。分割されるのは厚生年金の報酬比例部分であるため、例えば夫は自営業で国民年金のみだが、妻が会社員で厚生年金の受給資格があるケースでは、妻の年金が分割されることもあります」
※女性セブン2020年12月10日号