離婚原因のダントツは「性格の不一致」
しかし不一致と一口に言っても、その内容は千差万別だ。
「“どうでもいい”という口癖に耐えられなくなった」(40才)、「なんでもすぐに悩むくせに解決するために行動しない内弁慶」(37才)など、日々の言動からにじみ出る性格への小さな違和感が積み重なり、離婚につながっていることがよくわかる。
経済的DV、借金、金銭感覚の不一致など、お金に関する離婚原因も多く、合計した数字は「性格の不一致」の次に大きかった。岡野さんのもとにも夫婦間の金銭トラブルに関する相談が多く寄せられているという。
「『私が必死に節約をしてお金を貯めたのに、夫が15万円のパソコンを勝手に購入していてはらわたが煮えくり返りました』など、一緒に家にいる時間が増えなかったら見過ごしていたような相談が多い。新型コロナの感染が拡大し、再び外出自粛の流れになっているうえ、経済の回復が見えないいま、こうしたトラブルは今後も増えると予想されます」
一方で、離婚理由として少なかったのは、意外にも長らく「夫婦問題の代名詞」のように語られてきたセックスレスの問題だ。民法の「婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまるとされ、慰謝料請求の対象になるケースもある。
「円満な夫婦生活のためにも重要とされてきたセックスですが、時代とともに伴侶に求めるものが変化しました。いまは性的なつながりよりも、いざというときに団結できるパートナーであるかどうかが優先されます。
というのも、これだけ女性が社会進出し、SNSが発達したいま、浮気は男性だけのものではなくなったうえ、性欲を解消する方法にもさまざまな選択肢を選べるようになった。“夫にばかり性的な欲求を求めなくてもいい”という女性も増えていると考えられます」
性的なことは自分で済ませ、夫には同じ価値観を求める時代になったのかもしれない。