国際情報

ジョージア決選投票に異変!「トランプ来るな」の大合唱

トランプ氏「アトランタへ行く」で現地は大騒ぎに(AFP=時事)

トランプ氏「アトランタへ行く」で現地は大騒ぎに(AFP=時事)

 トランプ大統領の法廷闘争は、そのほとんどで門前払い同然の敗訴に終わり、同氏がホワイトハウスを去ることは決定的になった。「民主党が大規模な不正をした」という発言は、アメリカメディアでは保守系、リベラル系を問わず、「嘘の」とか「捏造の」という枕詞をつけて報じられており、少なくともメディアや司法の場では根拠のないデマであることが確定している。しかし、トランプ支持者はまだその嘘を信じており、右派と左派の戦いは終わらない。最後の決戦の地となるジョージア州上院選挙の「ねじれ現象」について、ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏がリポートする。

 * * *
 大統領選挙と同時に行われた上院選は、100議席のうち共和党50、民主党48の議席が確定したが、現職の引退によって唯一、2議席改選となったジョージア州で大接戦となり、2議席とも1月5日の決選投票に決着が持ち越された。もし民主党が2勝すれば、上院は50対50になり、議決で票数が同じ場合は副大統領(バイデン政権のハリス副大統領)の1票で決するという規定により、事実上、民主党が多数を握ることになる。すでに下院では民主党が過半数を制しており、ホワイトハウス、上院、下院のすべてを民主党が支配する「ブルー・スウィープ」が完成する。

 共和党は絶対に落とせない選挙だ。現職はともに共和党だけに、ここで1議席でも落とせば党勢は一気に衰えてしまう。自民党独裁が続く日本ではピンとこないかもしれないが、アメリカでは行政府と立法府を二大政党のどちらかが独占することを好まない伝統がある。クリントン政権時などに一時的にそうなった歴史はあるものの、有権者はどちらかが独裁になりそうだと、わざと上院と下院で別の党に投票するといった行動を取ることも多い。それくらい、一党独裁は嫌われているのである。内閣と議会、あるいは衆議院と参議院で多数派が異なる状態を日本では「ねじれ」と呼ぶが、アメリカでは、むしろ「ねじれているほうが健全」と考えられている。議会のチェック機能が働くからだ。

 前置きが長くなった。ジョージア州の情勢をお伝えする。一つ目の議席は、共和党のデービッド・パーデュー上院議員が再選を目指した選挙で、民主党候補のジョン・オソフ氏と争っている。パーデュー氏は大手ディスカウントストア・チェーンであるダラー・ゼネラルの元最高経営責任者で、共和党らしいビジネス界の成功者だ。対するオソフ氏はドキュメンタリー映画の制作者で、政治経験はほとんどない。パーデュー氏が圧倒的に有利と見られていたが、結果は大接戦だった。

関連記事

トピックス

ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
思い切って日傘を導入したのは成功だった(写真提供/イメージマート)
《関東地方で梅雨明け》日傘&ハンディファンデビューする中年男性たち デパートの日傘売り場では「同い年くらいの男性も何人かいて、お互いに\\\\\\\\\\\\\\\"こいつも買うのか\\\\\\\\\\\\\\\"という雰囲気だった」
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン