芸能

Go To トラベルの悲劇 11月3連休が感染拡大を生んだ可能性

吉村大阪府知事は愛知県の大村知事への不満が爆発(時事通信フォト)

大阪市は「Go To トラベル」の対象から除外に(時事通信フォト)

 新型コロナウイルス感染者が増えた都市を封鎖し、感染源を断つ。いわゆるロックダウンが世界中で強行されるなか、日本では政府や自治体から「自粛の要請」という形での感染対策が行われている。

 ところが、一方で自粛とは相反する政策も実行され続けている。「Go To トラベル」だ。感染が再拡大する北海道と大阪府は、札幌市と大阪市を対象から外すよう国に要請。11月24日に承認され、対象から外された。

 政府の方針では、まずは都道府県知事が除外を判断して政府が最終決定する。

「東京都も感染拡大が勢いを増していますが、小池百合子都知事は、“国が判断する必要がある”という姿勢を貫いています。これに対して政府は、“各自治体に任せる”という態度で平行線のまま。一刻を争ういまの状況で、責任のなすりあいをしている場合ではないのですが……」(政治ジャーナリスト)

 政府は「Go To トラベルが感染を拡大させているエビデンスはない」として否定しているが、第3波の拡大に影響を及ぼしているとの見方は強い。にもかかわらず、政府が「中止」と言えないのには理由がある。

「Go To トラベルは、菅首相が官房長官時代から旗振り役になって進めてきた“肝いりの看板政策”です。経済回復を優先する立場はもちろんですが、首相の面子もあって、なかなか中止には踏み切れないとの見方もあります。そればかりか11月29日には、期限の来年1月31日以降も、感染状況をふまえた見直しを行いながら延長する意向が明らかになりました」(全国紙政治部記者)

 政府はいつまで悠長なことを言っていられるだろうか。Go To トラベルが感染者急増の“原因”となる可能性が指摘されている。

「その原因とは、11月21日からあった3連休です。連休を前に日本医師会の中川俊男会長が“移動を自粛してもらうことが大事”と発言したのに対し、加藤官房長官は“旅行者や観光事業者が感染拡大の防止対策をしっかり実施すれば、移動による感染リスクを低く抑えることができる”と説明しました。

 佐賀県や兵庫県など“県をまたぐ移動の自粛”を県民に呼び掛けた自治体はありましたが、“我慢の3連休”とはならず、多くの人が観光地に詰めかけてしまった。12月上旬に、全国各地で感染者数が増える危険性は否定できません。今後、“局地的なロックダウン”を行わざるを得ない地域は増え続けるでしょう」(医療ジャーナリスト)

 国の判断を仰いでいる時間はない。年末年始にしかできない各自治体の迅速な対応、思い切った決断が求められている。

※女性セブン2020年12月17日号

小池都知事の判断は(時事通信フォト)

小池都知事の判断は(時事通信フォト)

関連記事

トピックス

趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田文雄が「闇将軍」になる亡国自民党ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田文雄が「闇将軍」になる亡国自民党ほか
NEWSポストセブン