ライフ

全身ユニクロのビジカジコーデ オジサンでも野暮に見せぬ術

ユニクロでビジカジスタイルを揃えるオジサンも増えている(原宿店/時事通信フォト)

ユニクロでビジカジスタイルを揃えるオジサンも増えている(原宿店/時事通信フォト)

 在宅勤務の広がりによってスーツ需要が減り、大手紳士服チェーンは軒並み苦しい経営を強いられているが、代わってオジサン世代でもビジネスカジュアル(ビジカジ)スタイルを取り入れる人が増えている。中でも安価で上下揃えられるユニクロは圧倒的人気だ。ファッションジャーナリストの南充浩氏が、“全身ユニクロコーデ”でも野暮ったく見えないビジカジスタイルの作り方についてアドバイスする。

 * * *
 30代半ば未満の若い男性の方々からはちょっと想像もできないかもしれませんが、完全なるビジネススタイルでもなく、完全なるカジュアルスタイルでもない極めて中途半端な「ビジカジスタイル」というものを作るのは、20年くらい前まではなかなか苦労しました。

 おそらく、ビジカジスタイルに一番親和性が高いのは、アイビースタイルやプレッピースタイルではないかと思いますが、そういうアイビー・プレッピー向けアイテムというのは、まあまあ高い価格のブランドでしか扱われていませんでした。

 ファッションビルや一部の百貨店ブランド、大手セレクトショップあたりが得意としたアイテムでしたが、1アイテム当たりの価格は、シャツやポロシャツ、セーター類などの中軽衣料と呼ばれるジャンルですら、だいたい1万円を越えており、1万円を下回るのはTシャツくらいでした。

 スーツやジャケット、コート、防寒ブルゾンなどの重衣料と呼ばれるアイテムは安くても3万円、平均価格が5万円といったところ。少し背伸びをすれば10万円オーバーになりました。そのため、2000年代半ばまでは、ビジカジスタイルを揃えるのにお金がかかり、よほどの愛好家か、金持ちの道楽かみたいな感じまでありました。

高コスパなユニクロのビジカジアイテム

 しかし、今はユニクロ、無印良品などの低価格ブランドが完璧な出来ではないものの、昔の低価格ブランドに比べるとコスパも高いビジカジ向けアイテムを発売しており、選び方さえ間違わなければ、20年前の半額以下の金額でビジカジスタイルが揃えられる良い世の中になりました。だからアパレル業界は客単価低下に悩んでいるともいえるのですが……。

 これまでユニクロはベーシックな服というスタンスを強調してきましたが、2000年代半ばからデザイナーズコラボを開始し、高感度なイメージも追求し始めました。

 ユニクロのデザイナーズコラボが注目されるきっかけとなったのが、2009年秋冬にスタートしたジル・サンダー氏とのコラボライン「+J」でした。2011年秋冬で終了しましたが、今年11月に9年ぶりに復活を遂げました。

 復活したラインは2009年を大きく上回る盛り上がりを見せ、発売日朝から通販サイトのサーバーは落ち、各ユニクロ店舗には開店前に長蛇の列ができ、入店まで数時間待ちの状態が続きました。発売開始から数日後には完売商品も出てしまい、転売サイトには定価の何倍もの値段が付けられて多数出品されています。

 またこの「+J」と並ぶユニクロのデザイナーズコラボの看板ラインといえば、クリストフ・ルメール氏とのコラボ「ユニクロU」です。もうすっかりユニクロではおなじみとなっています。少し色や柄に個性があるのが、JWアンダーソンとのコラボで、こちらも今秋も引き続き展開されています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
審査員として厳しく丁寧な講評をしていた粗品(THE W公式Xより)
《「脳みそが足りてへん」と酷評も》粗品、女性芸人たちへの辛口審査に賛否 臨床心理士が注目した番組冒頭での発言「女やから…」
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情