スポーツ

広岡達朗氏が一刀両断!「工藤と原には決定的な差がある」

野手出身の監督とヘッドコーチでいいのか(時事)

野手出身の監督とヘッドコーチでいいのか(時事)

 日本シリーズで2年連続でソフトバンクに4連敗を喫した巨人の激震がやまない。大量リストラと補強でチーム再建に乗り出しているが、後味の悪いシーズン終了の戦後処理はうやむやなまま。原辰徳・監督は自らの責任を認めたが、あのV9時代の輝かしい歴史を知るOBからは厳しい声が上がっている。『週刊ポスト』(12月7日発売号)では、V9戦士4人が今の巨人に「喝」を入れているが、そのひとり、広岡達朗氏(88歳)は、巨人の問題にとどまらず、監督は「作り上げるものだ」という指導者論を語っている。

 広岡氏は、大学時代には早稲田の花形選手として活躍し、「神宮の貴公子」と呼ばれた。巨人入団後は華麗な守備でショートのポジションを任され、当時はファーストで現役だった川上哲治氏とチームを支えた。川上氏が引退して監督に就任すると、コーチ兼選手としてV9の礎を築いた。その後は監督として、弱小球団だったヤクルトや西武を常勝集団に育てた名伯楽としても知られる。

 広岡氏は『週刊ポスト』誌上で、他球団から主軸選手を獲得して補強する巨人のチーム運営の限界を指摘し、エースの菅野智之がメジャー挑戦して抜けたあとの原巨人は、ますます苦境に立つと警告した。誌面では紹介できなかったが、そのうえで、ソフトバンクを球界の盟主に押し上げた工藤公康・監督との秘話と、監督の役割について語った。

 * * *
 選手だけでなく、監督も「作る」ものなんです。ソフトバンクの工藤は、私が西武の監督になった1981年にドラフト6位で入団してきた選手ですが、頭がいいぶん、ぬるい環境に置くとズルく立ち回るところがある若者だったので、あえて最初から一軍に置きました。1年目からリリーフとして使い、3年目にはアメリカの1Aに送り込みました。首脳陣の役割は、将来の指揮官候補だと思う選手がいれば、若い頃から援助して勉強させてやることです。監督というのは、現役時代に実績がある者がやるのではなく、最初から指導者として作り上げるべきなんです。巨人に欠けているのはそこですね。

 例えばDeNAは来シーズン、ハマの番長こと三浦大輔が監督になりますが、ピッチャー出身の新監督なら、球団はヘッドコーチを誰にするか考えなければいけない。野手の育成や起用については素人ですから、ヘッドコーチはそこがよくわかっている野手出身の人材を置くのが鉄則です。逆に野手出身の監督ならピッチャーのことがわかるヘッドコーチを置くべき。ところが、巨人は野手出身の原の下に、野手出身の元木大介をヘッドに置いている。首脳陣が互いに支え合って勉強していく体制もなく、すべてを選手任せにして戦力が足りないと言っていてはいけない。プロに入るような選手はもともと能力は高く、適切な目標を設定してやれば変わるんです。その道筋を示したうえで、“オレの言うことを聞いて、やるべきことをやれ”と導いてやるのが監督です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
明治、大正、昭和とこの国が大きく様変わりする時代を生きた香淳皇后(写真/共同通信社)
『香淳皇后実録』に見当たらない“皇太子時代の上皇と美智子さまの結婚に反対”に関する記述 「あえて削除したと見えても仕方がない」の指摘、美智子さまに宮内庁が配慮か
週刊ポスト
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
タンザニアで女子学生が誘拐され焼死体となって見つかった事件が発生した(時事通信フォト)
「身代金目的で女子大生の拷問動画を父親に送りつけて殺害…」タンザニアで“金銭目的”“女性を狙った暴力事件”が頻発《アフリカ諸国の社会問題とは》
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン