スポーツ

巨人OB・黒江透修氏「原監督と川上監督を比較するのは失礼」

V9巨人を支えた黒江透修氏が今の巨人に提言する(時事通信フォト)

V9巨人を支えた黒江透修氏が今の巨人に提言する(時事通信フォト)

 日本シリーズで2年連続の4連敗という屈辱を受けた巨人だが、かつては1965年から9年連続日本一という前人未踏の記録を打ち立てた。そんな黄金期の巨人を象徴するスーパースターON(王貞治、長嶋茂雄)とともにV9巨人の堅牢な内野守備を支えたのが黒江透修氏(81)だ。引退後は巨人や中日、西武など多くの球団でヘッドコーチを務め、名参謀として称えられた。その黒江氏が、今の巨人の後輩たちに提言。黒江氏は「つなぐ野球の復活」を唱える。

 * * *
 日本シリーズでジャイアンツは打てなかったね。ソフトバンクとはクリーンアップに天と地の差があった。ソフトバンクの柳田(悠岐)の威圧感はさすがだったが、一方のジャイアンツの丸(佳浩)や岡本(和真)にそれほどの力はない。これがチーム力の差になっている。

 V9時代は、レギュラー全員が強打者だったようなイメージがあるが、打率3割、本塁打2桁、100打点を達成していたのはONだけだった。圧倒的な存在のONにつなぐ堅実型のチームだったんです。私は1、2番を任されることが多かったが、川上(哲治)監督からは「ONにつなぐことだけ考えろ」と言われた。それぞれが明確な役割を与えられていた。

 それに引き替え今のジャイアンツは、選手に個々の役割がない。やはり監督やコーチが「ジャイアンツの伝統はつなぐ野球だ」とはっきり宣言して、選手に細かく指示すべきだろうね。

 千賀(滉大)をはじめソフトバンクの投手陣は素晴らしいが、V9選手なら、自分の役割を果たすため、バットを短く持ったり、引っ張らずに流したり、しぶとく食らいついたと思う。川上監督も個々がやるべきことを指示していたと思うし、原(辰徳)のようにベンチで漫然とはしていなかったはず。

 原は川上監督の通算勝利数を抜いたが、それは相手に恵まれただけ。比較しては失礼だよ。

※週刊ポスト2020年12月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン