同社のホームページによると夜景クルーズは食事なしで大人4600円、食事付きのクルーズプランは横浜発の「ベーシック」で1人1万2000円からとなっている。証言にある会費7000~8000円だとすれば、“割引料金”や“特別プラン”だったのかもしれないが、政治資金収支報告書に収支が記載されていないのでこちらも検証できない。
前号で紹介した毎年1月の「成田山初詣バスツアー」でも新たな事実が判明した。今年は1月26日に実施され、会費8000円でバス約25台、約1000人が参加した。単純計算で総額800万円だ。
主催は有志を示す「実行委員会」となっているが、参加申し込み書には「すが義偉事務所」の電話番号が記され、行程などが記された「成田山初詣ご参加の皆様へ」という案内資料には、「当日緊急連絡先」として菅事務所の秘書の携帯電話番号があった。
さらに昼食の会場には菅氏本人が現われ挨拶回りをし、その後ツアーの参加者全員に「暦」が配られていた。その裏表紙には「衆議院議員 すが義偉 後援会」と印刷されている。
バス約25台を連ねた初詣ツアー、「春の集い」の2500人パーティー、「なかよしゴルフコンペ」などリストのイベントだけでも、数千万円のカネの流れがあると推定される。
これらのイベントについて、菅事務所は「当事務所の事業ではなく、地域の方や会社、団体、地方議員など、多くの方々が参画している実行委員会が主催する事業」と回答。
安倍晋三・前首相の「桜を見る会前夜祭パーティー」補填問題への捜査が進む中、菅氏はなぜ、自らの後援会のカネの「入り」と「出」を明らかにして襟を正そうとしないのか。
※週刊ポスト2020年12月18日号