中国側も人民解放軍の登山専門家ら含めた中国測量隊が今年5月に登頂。新型コロナウイルス対策で登頂が禁止となった今年、山頂に立った唯一の登山隊となった。
両国とも三角法による正確な算出のため、12の山の標高を利用するとともに、GPSも併用して、測定精度を高めた。その結果が8848.86mで、ネパール側が従来から主張していた「8848m」よりも、86cmしか誤差はなかったことになる。
この結果について、習主席はバンダリ大統領に書簡を送り、「両国関係を発展させるべき」などとして中国側が妥協した形となった。この背景には中国はネパールと国境を接するインドと国境紛争がある。中印両軍は現在、ネパール国境に近い山岳部で対峙している。中国にとって、ネパールの協力を得る必要があることから、両国間の「エベレスト標高論争」は中国側の政治的な思惑含みで解決をみたといえるかもしれない。