国際情報

いよいよトランプ「過去最大の反撃作戦」の狼煙が上がる

拳は下ろさない(AFP=時事)

拳は下ろさない(AFP=時事)

 アメリカ大統領選挙は、12月14日に選挙人による投票を終え、本選挙の結果通り、バイデン氏が次期大統領に指名された。これを受け、ようやく共和党はバイデン氏を次期大統領と認め始めているが、総大将のトランプ大統領はいまだにファイティングポーズを崩していない。バイデン政権はかつてない激しい批判と抵抗にさらされながらスタートを切ることになる。その結果もたらされるものは何か。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏は「アメリカの分断はこれからが本番だ」と警告する。

 * * *
 選挙人投票を受け、上院で多数派を形成する共和党のミッチ・マコネル院内総務は、ついにバイデン氏とハリス氏を大統領選挙の勝利者と認め、1月20日に新しい大統領と副大統領に就任することを祝福した。これで長かった大統領選挙の混乱が収束する――かというと、そうはなりそうもない。

「遅い! 大統領選挙から6週間も経っている。これまで何をしていたのか。コロナは広がる。犠牲者は増える一方じゃないか」と吐き捨てたのは、筆者の友人、ホレイシオである。マンハッタンの筆者の自宅前での立ち話だ。軽蔑を込めて親指を動かし、5番街の方向に向けてしゃべっている。筆者の自宅は5番街にあるトランプタワーと同じストリートにある。ホレイシオはトランプ大統領に対する怒りが抑えられない様子だ。

 彼は、兄弟をコロナで亡くした。昔からの保守派で共和党支持だったが、今回はバイデン氏に投票したという。ホレイシオは続ける。「マコネルは、バイデンの大統領就任を認めはしたが、トランプとの連携を保っている。そして、何人かの上院議員を除けば、院内総務の力と地位を利用して、共和党議員を操っている。トランプのTwitterは見たか?」と筆者にも食ってかかる勢いだ。ホレイシオの言う大統領の「つぶやき」は以下のものだ。

《Mitch, 75,000,000 VOTES, a record for a sitting President (by a lot). Too soon to give up. Republican Party must finally learn to fight. People are angry! (私は7500万票を得た。現役大統領としては最高記録だ。ミッチ、あきらめるのは早すぎる。共和党は、結局は戦わなければならないことを知るだろう。人々は怒っている。)》

 マコネル院内総務に不満を漏らしたようにも読めるが、確かにこの文面からすると、まだ2人は盟友関係にあるという印象のほうが濃い。トランプ氏は本当に自分を裏切ったと思う相手には、もっと辛辣な言葉で徹底的に罵倒する。マコネル発言後のメディア報道でも、同氏はまだトランプ氏と何か政治的な取引をしていると見る専門家が多いようだ。

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン