国内

菅首相の発言はなぜ心に響かないか 外国首相との決定的違い

(写真/時事通信社)

菅首相の持ち味である「安定感」が裏目に(写真/時事通信社)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、菅義偉首相のコロナ対策について。

 * * *
 クリスマスには華やかな芸能人の話題を!と思ったものの、この1週間、テレビの情報番組やニュースで画面に映し出されていたのは、コロナの感染拡大による医療崩壊の危機を訴える医療関係者たちの深刻な顔。そして「Go Toトラベル」全国一斉停止を発表した直後、高齢者8人でステーキ会食していた事に対し、反省の言葉を口にする暗い顔の菅首相だ。

 暗い顔といっては首相に失礼だったか。いつもよりわずかに冴えない表情といった方が正しいだろう。「いつもより」と言えるほど、会見でも他の場面でも首相の口調や表情はほとんど変わらない。だが、この変わらないところが菅首相の特徴でもある。

 安倍政権の官房長官時代はそれがプラスになっていた。あの訥々とした口調や感情を露骨に出すことなく淡々とした表情、冷静で時に事務的でありながらも素朴さを感じさせる飾り気のない態度が、世間に安定感を強く印象付けていた。だが今、この安定感が裏目に出てしまっている気がする。

 淡々とした口調はメリハリがなく、単調で感情に訴えてこない。落ち着きや冷静さは力強さやスピード感、積極性を感じさせない。泰然とした構えや身振り手振りの少なさは、アピール性が低く人の目を引きつけない。平時で高く評価されることが有事でも評価されるとは限らないのだ。

 コロナ渦の現在、一国のリーダーに求められているのは強いリーダーシップだ。どの国でも、トップが国民の心を動かす印象的な会見を行えば話題になるように、人々に訴えかける強いメッセージ力が求められている。メッセージ力は政権の支持率に大きな影響を与える。

 メッセージ力には、発言内容という「言語情報」はもちろんだが、声のトーンや話す速度、口調という「聴覚情報」と、表情や身ぶり手ぶり、視線や身体の向きという「視覚情報」である非言語表現が含まれる。コミュニケーションで影響を与えるのは、言語情報が1割、視覚や聴覚情報が9割という「メラビアンの法則」にあるように、感情や気持ちを伝える非言語表現なのだ。

関連記事

トピックス

女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
《“手術中に亡くなるかも”から10年》79歳になった大木凡人さん 映画にも悪役で出演「求められるのは嬉しいこと」芸歴50年超の現役司会者の現在
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン