アサヒは低アル、ノンアル比率を高める宣言
こうしてノンアル市場の競争が熾烈さを増す中、2020年12月10日にアサヒが発表した「スマートドリンキング」宣言の中に、目を引く一文があった。ビール類、RTD(※注)、ノンアルコールの販売容量合計に占める、アルコール度数3.5%以下のアルコール商品およびノンアルコール商品の割合を、2019年の6%から2025年までに20%へ高めるというのがそれだ。
【※注/フタを開けてすぐに飲める飲料。缶酎ハイや瓶入りカクテルなど、水や炭酸水で÷手間のかからないアルコール飲料】
現時点では、同業他社でこのような目標を掲げたところはまだないが、かなり思い切った数字といえる。アルコール度数3.5%という数字での区切りには、何か意味があるのだろうか。この点についてアサヒの幹部はこう説明する。
「グローバルな酒類メーカー、たとえばアンハイザー・ブッシュ・インベブは3.5%以下、ハイネケンなら3.5%未満という表現で同等の基準を採用しています。当社も日本、欧州、豪州の3極で事業を展開しているため、グローバル酒類メーカーと同等の基準を採用しました」
確かに、インベブやハイネケン、カールスバーグといった酒類メーカーも、2025年までにローアルコール、ノンアルコール飲料の構成比率を20%まで引き上げる目標を掲げている。アサヒもこれらの海外メーカーと足並みを揃えたというわけだ。