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議事堂乱入の暴徒が掲げた「ジーザス・トランプ」の危険な旗

トランプ氏は暴徒の乱入をなかば肯定した(AFP=時事)

トランプ氏は暴徒の乱入をなかば肯定した(AFP=時事)

「血のワシントン」の悪夢が現実となってしまった。バイデン氏の大統領選勝利を正式に認定するためのアメリカ上下両院合同会議にトランプ支持者たちが乱入し、警官隊との衝突で死者も出た。バイデン氏は「議事堂への攻撃は抗議ではない、反逆だ」と最大限の非難を表明したものの、トランプ氏は「私の圧勝が奪われたからこうなるのだ」とツイートして(のちに非表示)、暴動を肯定する態度を続けている。トランプ氏がホワイトハウスを去っても、アメリカは親トランプvs反トランプの分断に苦しむ未来が予言されているようだ。アメリカ在住ジャーナリスト・高濱賛氏が、全米で続くトランプ支持者たちの「危険なパーティ」をリポートする。

 * * *
 エバンジェリカルズ(キリスト教原理主義者)のシンガーソングライターが「マスクレスで十字架の下に集まれ」と全米各地でコンサートを繰り広げている。新型コロナウイルス感染拡大阻止に必死の公衆衛生当局は、「三密」を避ける立場から中止を呼び掛けているのだが、彼らは聞く耳を持たない。

 昨年クリスマスの翌日にロサンゼルス近郊で開かれたコンサートには2000人程度の若者が集まり、会場は熱狂に包まれていた。観衆の一人、大学中退のジム君(18)は感染が怖くないのか聞かれて、「関係ないさ。神様が救ってくれる」と平気の平左。むろんマスクレスだ。出逢ったばかりの若者たちと抱き合っていた。ソーシャル・ディスタンスも何もあったものではない。

 全米のコロナ感染者数は2100万、死者は35万人以上。いずれも世界一だ。中でもカリフォルニア州では感染者は250万人、死者は2万7000人を超えている。

「三密」の群衆のど真ん中でコンサートを続けているのは、シーン・フォイト氏(35)。オクラホマ州にあるエバンジェリカルズ系のオーラル・ロバーツ大学在学中から伝道ミュージックを作曲。大学が派遣する海外伝道活動の一員として北朝鮮、サウジアラビアなど4か国で演奏するなど筋金入りのエバンジェリストである。すでに22曲を作曲し、SNSを通じて若者の間では大変な人気者だ。

 人工中絶や同性愛には真っ向から反対し、トランプ大統領の猛烈な支持者でもあるフォイト氏は、同大統領に対する米議会の弾劾審議のさなかには、ホワイトハウスで行われた宗教指導者の祈祷会にも招かれている。コロナ禍が深刻化するなかで、「マスクなど必要なし」と断言していたトランプ氏の非科学的主張を100%信用した行動だった。

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