国内

コンピューターおばあちゃん、夫の死にも苦労なし 計算済みの老後生活

aa

知的でジェントルだった溝井喜久子さんの夫・秀昌さんは生前から妻に相続の勉強を進めていた(写真/溝井さん提供)

《考えなしの女は自分で自分の首を絞めていることに気づかない。考えなしの女は女の敵である》
《若い時に考えない人、年取ればなおも考えない》

 辛口のコメントをSNSでつぶやくのは、埼玉県在住の『コンピューターおばあちゃん』こと溝井喜久子さん(86才)。75才で始めたツイッターは歯に衣着せぬ人生の格言が老若男女から支持され、フォロワー数は8万8000人を超える。

 溝井さんは5年半前に50年以上連れ添った夫の秀昌さん(2015年7月逝去、享年81)を亡くしたが、夫の死によって苦労したことは全然ないと笑う。

「庭の手入れや家の仕事なども全部自分でこなせるし、友達が多いから寂しくもない。いまはコロナ禍のため、なかなか直接会えないけど、電話で話はできますからね」(溝井さん・以下同)

 お茶の水女子大学理学部出身の溝井さんは、「理系女子(リケジョ)」の走りだ。大学卒業後は高校の生物教師になったが、26才のときに見合い結婚すると、スパッと仕事をやめて家庭に入り、専業主婦をしながら勉強を続けた。

「結婚後、夫のすすめもあって実用に役立つ相続税法や会計学の勉強をしたんです。『女に学問はいらない』というのはバカな話だと思っていましたから、私は子供をおんぶしながら勉強していました。

 すべて独学でしたが、義父が亡くなったときも、夫を助けながら自分たちで相続税の申告を行いました。おかげで、夫が亡くなった後も、何をどうすればいいのか、どこへ行けばいいのか、税務署で何を聞けばいいのか、すべてわかっていました」

 葬儀の手続きも抜かりない。溝井さんは、夫とともに、毎月の積立金を払うと冠婚葬祭の儀式に対するサービスが受けられる「冠婚葬祭互助会」に加入していた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン