ライフ

「多剤服用」に要注意 薬効を打ち消したり強めたりする5パターン

多くの薬を飲む際の注意点は?(イメージ)

多くの薬を飲む際の注意点は?(イメージ)

「これを飲めば症状が改善する」──そう信じて薬を飲むが、結果的に健康を悪化させることもある。東京都が発表した109万人の処方データから、飲めば飲むほど不健康になる“クスリのリスク”が明らかになった。

 東京都健康長寿医療センター研究所などの研究グループは2020年2月、高齢者の多剤処方に関する論文を発表した。

 同研究では、都内の後期高齢者(75歳以上)約109万人のレセプトデータ(診療情報)を分析。患者1人あたり平均6.4種類の薬が処方され、全体の64.0%の人が5種類以上服用していることが判明した。論文では多剤処方の5つの典型的なパターン(別掲図参照)とリスクを示している。

 パターン1では、慢性心不全や浮腫性疾患で処方される4種類の薬剤の併用例が示された。秋津医院院長の秋津嘉男医師が指摘する。

「ここで注意すべきは、薬効を打ち消し合ってしまう『抗凝固薬+利尿薬』の組み合わせです。心不全やむくみの治療では、血管を詰まらせないために抗凝固薬が処方されますが、腎機能が低下している場合には利尿薬が併用される。利尿薬は水分を体外に排出させるので脱水症状になり、抗凝固薬の効果が薄れて血管が詰まるリスクが高まってしまうのです」

 パターン1の患者には高血圧の人が多く、降圧薬も処方されることが多い。

「降圧薬は利尿薬と併用されると効きすぎて、血圧が下がりすぎることがある。脳に向かう血流が滞ってふらつきや転倒のリスクが生じます」(銀座薬局の代表薬剤師・長澤育弘氏)

 秋津医師は「特にACE阻害薬系の降圧薬の服用に気をつける必要がある」と語る。

「心不全の患者がACE阻害薬系を併用すると、カリウム値が上がりすぎて心臓に負担がかかります。その結果、不整脈を引き起こすケースがある」

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン