国内

頑なにコロナ対策の失敗を認めない菅首相 ブレーンの心も折れたか

菅義偉・首相の行動に側近たちも…

菅義偉・首相の行動に側近たちも…

 危機に臨む総理大臣に求められるのは、正確な現実認識と、国民に語りかける「言葉」の誠実さだろう。緊急事態宣言で国民は生活に厳しい制約を求められている。それでも一歩ずつ危機の出口に向かって進んでいる実感があれば、「希望」を持って耐えられるが、総理の言葉が信じられなければ、国民に希望を見出す力そのものが生まれない。

 菅義偉・首相は年初からの10日間で4回、国民に語りかけた。1月4日の年頭会見では、「絶対」とこう強調した。

「医療崩壊を絶対に防ぎ、必要な方に必要な医療を提供いたします」

 1都3県に緊急事態宣言を発出した1月7日の記者会見では「必ず」とこう断言してみせた。

「1か月後には必ず事態を改善させる。そのために総理大臣としてありとあらゆる対策を講じて参ります」

 しかし、国民の何人がそれを信じただろうか。「あらゆる対策」と言いながら、菅首相はコロナ変異種が国内で発見されても11か国とのビジネス往来の停止を先送りし、Go Toイートの停止も「自治体の判断」に任せて全国半数の県で続けられている(1月7日時点)。

 菅首相自身、自分の言葉を信じてはいない。会見翌日に出演したテレビ朝日『報道ステーション』のインタビューでそれがはっきりわかった。もし、1か月後に結果が出なかったら営業規制の対象拡大や宣言延長の可能性はあるのか。国民が知りたい疑問だ。

 そのことを問われると、こう言ってのけた。「仮定のことは考えない」──“あんたが考えなければ誰が考えるんだ”と国民を呆れさせた。

 1都3県に続いて大阪、京都、兵庫の知事が緊急事態宣言を要請すると、その判断も丸投げした。

「政府の分科会の専門家は『もうしばらく様子を見て、分析したい』という方向だったようだ。いずれにしろ、必要であればすぐ対応できるような準備をしている」(1月10日のNHK『日曜討論』)

 菅首相は二言目には「必要があれば躊躇なくやる」と言うが、必要かどうかの判断は丸投げだ。そんな総理に、危機の打開を託せる道理がない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン