国内

正論か、暴論か 「東京五輪開催できる」という人に根拠を聞いてみた

今年、東京五輪を開催できると考える人たちの根拠とは(写真/AFP=時事)

今年、東京五輪を開催できると考える人たちの根拠とは(写真/AFP=時事)

 二階俊博・自民党幹事長は「開催しないお考えを聞いてみたいぐらいだ」と見下すように言い放ち、森喜朗・東京五輪組織委会長は「不安? まったくありません」と嘯いた。そして菅義偉・総理は「必ずやり切る」と断言した。しかし、共同通信の世論調査では東京五輪の開催賛成はわずか14%。国民は冷ややかな目で見ている。五輪開催はもはや暴論ではないのか――それでも五輪をやれるという人たちに根拠を質した。

「ウイルスは弱毒化している」

 五輪開催に反対する声が多いのは、コロナ感染のさらなる拡大を懸念するからだろう。しかし、京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸氏は、ウイルス研究者の立場から「東京五輪中止はナンセンス」と断言する。

「私は自民党支持者でもなんでもありませんが、森会長や二階幹事長が五輪開催を主張するのは間違っていないと思います。正しい感染予防対策さえ取れば、新型コロナに感染することはまずない。世間で騒がれているほど感染力が高いウイルスではありません。

 居酒屋で飲食をしながら大声で会話し、大量の飛沫を浴びれば別ですが、マスク着用のもと着席でスポーツを観戦したり、普通に会話する分には感染リスクはほとんどない。無観客試合や観客制限の必要はないと考えます」

 海外からの多くの観光者が感染拡大を招くという意見が多いが、これも宮沢氏は否定する。

「海外からの入国者は各国でPCR検査を受け、陰性証明をもって来日するでしょう。その中に感染者が含まれている確率はわずか。開催時期は夏季で、北半球の多くの国の感染率は低く、PCR検査をすり抜けるのはせいぜい10万人に1人程度だと私は考えます。

 東京五輪で仮に100万人の外国人旅行者が来日したとしても、PCR検査をすり抜けてくる陽性者は10人です。現在、日本では全国で毎日7000人の感染者が出ている。もっと多くの人がPCR検査を受ければ陽性者は何倍もいるでしょう。海外からその程度の陽性者が入ってきたからといって大きな影響は出ない」

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭と15歳年下の永野芽郁が“手つなぎ&お泊まり”報道がSNSで大きな話題に
《不倫報道・2人の距離感》永野芽郁、田中圭は「寝癖がヒドい」…語っていた意味深長な“毎朝のやりとり” 初共演時の親密さに再び注目集まる
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
週刊ポストに初登場した古畑奈和
【インタビュー】朝ドラ女優・古畑奈和が魅せた“大人すぎるグラビア”の舞台裏「きゅうりは生でいっちゃいます」
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン