芸能

長瀬智也『俺の家の話』監修者が語る「介護ドラマへの期待」

「介護ドラマ」という新ジャンルを拓くか (C)TBS

「介護ドラマ」という新ジャンルを拓くか (C)TBS

 これまで数々の名作を生み出してきた脚本・宮藤官九郎×主演・長瀬智也タッグによるドラマ『俺の家の話』(TBS系、金曜22時〜)のテーマは、ずばり「介護」。プロレスラーの観山寿一(長瀬智也)が、能楽の人間国宝である父親・寿三郎(西田敏行)の介護のためにリングを離れ、実家へ帰ることから始まるホームコメディだ。

 プロレス、能、介護と異色の要素が満載だが、この一見すると闇鍋のような組み合わせが絶妙なハーモニーを奏でている。能の名家に生まれた寿一の父親に対する複雑な感情、父親への反抗の象徴であると同時に、父子の共通の話題でもあるプロレス、そして、介護を通して変化していくふたりの関係……。第1話の放送後、多くの視聴者が「この設定しか考えられない!」と膝を打ったことだろう。まだ放送は序盤だが、「宮藤官九郎の最高傑作になるのではないか」と期待する声も少なくない。

 宮藤官九郎は「マイナビニュース」のインタビューの中で、「僕の周りでも親の介護をしている人が増えて来て、そのわりに介護をテーマにしたドラマってすごく少ない。絶対にみんな直面する問題なのに、なんでドラマで扱わないんだろうというところから入った」と語っていた。

 たしかに「介護」というテーマに真正面から向き合った連続ドラマは少ない。劇中で介護の描写があったとしても、「つらい仕事」「大変な家庭」のシンボルのように扱われていることがほとんどだ。そんな中で思い出されるのが、2009年7月期にフジテレビ系にて放送され、映画化までされた『任侠ヘルパー』だ。こちらは、ヤクザが素性を隠して老人介護をするコメディで、国際ドラマフェスティバルで優秀賞を受賞するほどの高い評価を得た。介護職を「やりがいのある仕事」としてポジティブに描いた点で、意義のある作品だったと言えよう。

『俺の家の話』の介護監修を担当するNPO法人日本トラベルヘルパー協会会長の篠塚恭一氏は、ドラマが介護というテーマを扱う意義をこのように語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン