ライフ

コロナ後遺症の味覚・嗅覚障害 ほとんどの患者が「亜鉛不足」

宮崎大輔氏は味覚の異変が続いたという(時事通信フォト)

宮崎大輔氏は味覚の異変が続いたという(時事通信フォト)

 問題視される新型コロナウイルス感染後の後遺症。味覚・嗅覚障害も、若い世代を中心に長く続くようだ。

 ハンドボール元日本代表の宮崎大輔氏(39)は、昨年12月25日に呼吸困難となり、2時間ほど意識を失っていたという。

「私は早いタイミングで悪化して、本当に死ぬかと思いました。熱が出てからすぐに味覚と嗅覚がなくなり、ご飯、コーヒー、カレーなどを口に入れても感覚がない状態でした。それから1か月半近く経ちますが完全には治らず、日によって味覚が変だな、と感じることがあります」

 昨年9月に感染した俳優・タレントの杉浦太陽氏(39)はこう語る。

「入院5日目くらいに病院でシャワーを浴びているとボディソープの匂いがしないことに気付き、『あれ? 嗅覚がない』と愕然としました。味覚はたしかにあって、『美味い』と思いながら食べているのに、匂いがない。『このまま戻らなかったらどうしよう』と不安になりました。

 退院した時も嗅覚は戻らなかったのですが、しばらくして息子のオムツ替えをしたらちゃんと匂いを実感。いつもなら『クサ!』となるうんちの匂いに安心し、幸せな匂いなんだと改めて実感しました」

 ヒラハタクリニック院長の平畑光一医師はこう指摘する。

「血液検査をすると、ほとんどの後遺症患者で亜鉛が不足しています。亜鉛不足は以前から味覚・嗅覚障害の原因として知られており、コロナ後遺症でもそれが原因の可能性がある。実際に亜鉛のサプリメントを服用することで症状が改善する例も多く見られます。当院ではそれに加えて、ほとんどの方に漢方を処方しています」

 元厚生労働副大臣で医師免許を持つ参議院議員の桜井充氏(64)はこうしたメカニズムを以前から知っていたため、感染判明の翌日から亜鉛のサプリを飲んでいたという。

「亜鉛が不足すると、舌の味覚を感知する器官『味蕾』の働きが悪くなる。私は予防的に亜鉛を摂取したことで味覚障害が出なかったのかもしれません。会食で一緒に感染した若い人たちは、熱が下がってから後遺症的に味覚障害が出たそうです」

※週刊ポスト2021年2月19日号

関連記事

トピックス

62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
今回の地震で道路の陥没に巻き込まれた軽自動車(青森県東北町。写真/共同通信社)
【青森県東方沖でM7.5の地震】運用開始以来初の“後発地震注意情報”発表「1週間以内にM7を超える地震の発生確率」が平常時0.1%から1%に 冬の大地震に備えるためにすべきこと 
女性セブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン