ライフ

招待枠がフリマアプリで1万円 「Clubhouse」めぐる興奮と混乱

いまは招待されないと参加できない音声SNS「Clubhouse」(NurPhoto via AFP、時事通信フォト)

いまは招待されないと参加できない音声SNS「Clubhouse」(NurPhoto via AFP、時事通信フォト)

 音声SNS「Clubhouse」(クラブハウス)が流行している。日本向けのサービスは1月下旬に始まったばかりで、まだAndroid版はなくiOS版しかないものの、芸能人や文化人、インフルエンサーも多く参加しており、それをきっかけにテレビの情報番組でも取り上げられるなど大きな注目を集めている。他の多くのSNSと同様、無料サービスなのだが、一部で金銭が介在するやりとりが発生するなど、ユーザーたちの間で不穏な気配がちらほら見える。SNSの利用実態とトラブルに詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、Clubhouseの利用実態とリスクについて解説する。

 * * *
 秘密のラジオ番組を聞いたり、作ったりしているようだという感想が参加者から聞こえてくる実名制の音声SNS「Clubhouse」に参加するには、電話番号を利用した招待をされる必要がある。

 この招待制度だが、当初は1ユーザーにつき2名までしか招待できないなどの限定性がプレミア感を増幅させ、非ユーザーたちの使いたい気持ちを刺激した。こういった純粋に特別な空間への憧れから興味を持つ人だけでなく、インフルエンサーとなって先行者利益を得ることを狙った層もいっせいに参加を始めたところだ。今まさにClubhouseはバブル状態となっているのだ。

「見知らぬ相手から購入」で個人情報悪用も

 Clubhouseは炎上の心配がないSNSだと言われている。それは何よりも、ユーザーが匿名ではないこと、身元保証のようなものがあることが要因だ。プロフィールに誰が招待して加わったのか、何月何日から参加しているのかが必ず表示される。この招待者と紐付けられていることが身元保証のような効果をあげており、登録ユーザーへの信頼性を高めている。

 さらに、音声チャットが交わされる場所、トークルームでの会話が穏やかに交わされるだけで進行することも炎上と無縁だと言われる理由だろう。ルームを主催する人にスピーカー、つまり話し相手として呼ばれれば誰でも直接、話してトークに加わることができるが、逆に言えばスピーカーに呼ばれない限りコメントもできないので、そのルームは荒れにくいようになっている。

 ここまで穏やかに運営されているClubhouseの特徴ばかりあげた。しかし問題が起きないわけではなく、始まったばかりのSNSサービスらしく、むしろ色々なトラブルが起きている。

 フリマアプリのメルカリでは、サービスや権利など実体がないものの売買が禁止されており、現在は削除対象となっている。ところが、Clubhouseの招待枠が1万円前後で販売されていた。既に販売済みとなっていた出品も複数あったが、言うまでもなくこれは非常にリスクが高い行為だ。前述のようにClubhouseへの招待は電話番号を紐付けさせねばならないため、信用できるかどうか分からない人に電話番号を渡すことになる。その後、悪用される怖れは決して小さくない。

関連記事

トピックス

公判で明らかになってきた田村一家の“地獄の家”の全貌とは
《どうしてここから出られないの…》田村瑠奈被告は現在も「首を拾っただけなのに」と弁護人に伝達、裁判で明かされた“家庭内暴力”「ガムテープが飛んできた」「運転中に首絞め」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
自身のXで追悼のメッセージを送った羽生結弦(AFLO_sports)
「一生忘れません」羽生結弦、飛行機事故で急逝した伝説のフィギュアスケーターに追悼メッセージ 苦しい時に心の支えになった大先輩との“手紙での交流”
女性セブン
ジャンボ軍団がセレクションに登場。左から金子柱憲、飯合肇、尾崎直道、尾崎健夫(撮影・太田真三)
10年ぶりに勢揃いのジャンボ軍団が語り合った「日本の男子ツアーが盛り上がらない理由」 女子はスターが次々と出てくるのに“ジャンボ尾崎の跡取り”が出ない苦悩
NEWSポストセブン
慶應義塾アメフト部(インスタグラムより)
《またも未成年飲酒発覚》慶大アメフト部、声明発表前に行われた“緊急ミーティング”の概要「個人の問題」「発表するつもりはない」方針から一転
NEWSポストセブン
1月23日、トランプ大統領はケネディ暗殺に関連する非公開資料を機密解除する大統領令に署名した(写真=AP/AFLO)
【本当に狙ったのは誰か】「ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件」の記録が完全公開へ 落合信彦氏の著書『二〇三九年の真実』で指摘された謎や不審点
週刊ポスト
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《裸でビリヤード台の上に乗せられ、両腕を後ろで縛られ…》“ディディ事件”の被害女性が勇気の告発、おぞましい暴行の一部始終「あまりの激しさにテーブルの上で吐き出して…」
NEWSポストセブン
引退後の生活を語っていた中居正広
【全文公開】中居正広、15年支えた恋人との“引退後の生活” 地元藤沢では「中居が湘南エリアのマンションの一室を購入した」との話も浮上
女性セブン
2名の未成年飲酒が確認された慶應義塾アメフト部(時事通信/インスタグラムより)
《2年足らずで再度発覚》慶應アメフト部員、未成年飲酒で複数名が処分 同部が声明「厳正に対処いたします」
NEWSポストセブン
親方としてのキャリアをスタートさせた照ノ富士(写真・時事通信フォト)
【25億円プロジェクト】照ノ富士親方の伊勢ヶ濱部屋継承 相撲部屋建設予定地の地主が明かした「6階建てお洒落建物」構想
NEWSポストセブン
水原被告がついた「取り返しのつかない嘘」とは
水原一平被告がついた「取り返しのつかない嘘」に検察官が激怒 嘘の影響で“不名誉な大谷翔平コラ画像”が20ドルで販売
NEWSポストセブン
折田氏が捜査に対し十分な対応をしなかったため、県警と神戸地検は”強制捜査”に踏み切った
《「merchu」に強制捜査》注目される斎藤元彦知事との“大きな乖離”と、折田楓社長(33) の“SNS運用プロ” の実績 5年連続コンペ勝ち抜き、約1305万円で単独落札も
NEWSポストセブン
ギリギリな服装で話題のビアンカ・センソリ(インスタグラムより)
《露出強要説が浮上》カニエ・ウェストの17歳年下妻がまとった“透けドレス”は「夫の命令」か「本人の意思」か
NEWSポストセブン