国内

「議員のはしご酒」で夜の銀座が窮地 監視強化で閉店相次ぐ

記者会見の冒頭、与党議員の深夜飲食問題を陳謝する菅義偉首相。2月2日午後、首相官邸(時事通信フォト)

記者会見の冒頭、与党議員の深夜飲食問題を陳謝する菅義偉首相。2月2日午後、首相官邸(時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染対策のため、自粛を推奨される業態や職種は、そのときどきによって移ろってきた。パチンコ、ライブハウス、劇場など、人々が気にする先は移動したものの、一貫して疑いの目を持たれてきたのは「接待を伴う飲食店」だろう。それでも、対策方法が浸透してきたことなどから悪い意味での注目の的からはずれたように思われていた。だが、与党議員のうかつな言動によって、再び、業態そのものが危機に直面させられている。ライターの森鷹久氏が、夜の銀座から次々と火が消えようとしている様子をレポートする。

 * * *
 与党議員たちが、緊急事態宣言下にも関わらず連日の東京・銀座クラブ通いをしていたことが発覚した。さらに「はしご」までしたとして謝罪、当の本人は離党し、党トップの菅総理までが頭を下げるという前代未聞の事態が起きた。

 国民には不要不急の外出をせぬよう言っておきながら、政治家は好き放題か──。責任感皆無の政治家たちに、コロナの影響で疲弊しきった国民からは、もはや怒りよりも呆れの声しか聞こえてこない。だが、この騒動で「とどめ」を刺されたのは、政治家ではなく実は「銀座のクラブ」関係者だ。

 今回の騒動が起きたことで「銀座のクラブはまだやっているのか」との批判も相次いだ。実際、銀座の「クラブ」や「スナック」、そして「ラウンジ」と呼ばれるような店のほとんどが、緊急事態宣言に入り休業状態にあるが、飲食店に求められているのは夜8時以降の営業自粛であり、いわゆる夜の店は「時短営業」などできるはずもなく、今回一部の店が表向きには営業していない形を装って営業、いわゆる「闇営業」を行っていたことが明らかになった格好だ。銀座のクラブ店経営・山谷ゆみさん(仮名・50代)は、声を震わせる。

「クラブなんていらない、下衆な商売だと身近な人からも言われる始末。仲間の店はどんどん閉店しましたが、お金も借りられるだけ借りて、やっと感染者が減ってきて、緊急事態宣言さえ解除されればなんとかなるかもしれないと、一縷の望みに期待していたのですが。お店の女の子達には、別の仕事で食べて欲しいと話しています」(山谷さん)

 日本で感染が広がり始めた昨年3月ごろ、「諸悪の根源」とばかりに方々から叩かれた場所のひとつが、接待を伴う飲食店、客の隣に座って密な状態で接待する場所として知られる「銀座のクラブ」だった。大手紙社会部記者が振り返る。

「志村けんさんがコロナで亡くなり、クラブに行っていたことが(感染の)原因ではないかなど、様々な噂が流れていたのとほぼ同時期、厚生労働省のクラスター対策班が銀座や六本木のクラブで『クラスター』が発生した可能性が高いと見ているとわかり、各社が報じました。銀座のクラブといえば金持ちの中高年がいく場所、というイメージも手伝ってか、店も客もなんて非常識なんだと、市民やマスコミから非難されました」(大手紙社会部記者)

関連記事

トピックス

アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
19歳の時に性別適合手術を受けたタレント・はるな愛(時事通信フォト)
《私たちは女じゃない》性別適合手術から35年のタレント・はるな愛、親には“相談しない”⋯初めての術例に挑む執刀医に体を託して切り拓いた人生
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左・共同通信)
《熊による本格的な人間領域への侵攻》「人間をナメ切っている」“アーバン熊2.0”が「住宅街は安全でエサ(人間)がいっぱい」と知ってしまったワケ 
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン