「誰が後任になっても……」

 そのスポンサー企業が恐れたのは、SNS上で激増した不買運動の呼び掛けだった。実際「消費者から苦情や抗議を受けるなどの影響があった」と打ち明ける関係者は多く、スポンサーを降りるべきだとの声が寄せられた企業もあったという。

五輪組織委員会の事務局近くで五輪反対の声を上げる市民団体メンバー(時事通信フォト)

五輪組織委員会の事務局近くで五輪反対の声を上げる市民団体メンバー(時事通信フォト)

 このままでは企業イメージの低下にもつながりかねない事態に、「まさかコロナに加えて、こんなドタバタに巻き込まれるとは……」と困惑するばかり。これを鎮めるには森発言を否定するしかない。こうしてスポンサー企業からの批判が相次ぎ、発言から9日後の2月12日、森会長は無念の中で辞任を表明したのである。

 いま、森会長の後任選びが急ピッチで進められているが、スポンサー企業からは冷ややかな視線が向けられている。

「組織委の立て直しや森氏の後任選びは早急にやっていただきたいが、今さらスポンサー契約の見直しもできない中、われわれとしては何とか東京五輪が開催されて成功することを願うばかり。そのためには誰が後任になっても構わない」(スポンサー企業関係者)

 結果的には、多くのスポンサーを集めたことが、森会長の辞任を後押ししたのだから皮肉というほかない。このまま巨額の協賛金を支払ったスポンサー企業が割を食う形になるのか──。残された時間はわずかだ。

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