NFLチームでもあった差別批判
これはオリンピックに限った話ではない。米国で圧倒的人気を誇るアメリカンフットボールリーグ「NFL」。このNFLに「ワシントン・レッドスキンズ」という老舗チームがあった。
「あった」と書いたのは、このチームは昨年のシーズン開始前、「レッドスキンズ」が先住民族に対する差別だとの批判を受け、前季は「ワシントン・フットボールチームズ」という仮のチーム名で戦わざるをえなかったからだ。
レッドスキンズに対する批判は以前からあった。しかしチームオーナーは「絶対に変えない」と拒み続けていた。しかし昨年、「BLM(黒人の命も大切)運動」が起こり、それがレッドスキンズにも波及。最後はフランチャイズスタジアムのネーミングライツを持つフェデックスや、NFLと関係の深いナイキなどがチーム名変更を求めたため、オーナーも従わざるを得なかった。
この時は、80以上の投資家グループがスポンサーに対し書簡を送り、影響力を発揮するよう求めているが、その背景にはSNSなどで盛り上がった市民の意向を、スポンサー企業が無視できないという現実がある。仮に無視を続ければ、不買活動につながりかねず、企業業績悪化につながりかねない。