関水渚も好演
そのメンバーたちがこのドラマにしかない雰囲気や匂いを作り出していくのですが、もう一つヒントがあります。それが、カメラワーク&ライティングによる独特な映像です。
例えば……常にゆっくりと動き続けているカメラ。人物に近づいたり回り込んだり、180度移動したり。ドラマを見ている視聴者はどこか不安定な気分になり、ノンキに構えてはいられなくなる。あるいは一人の人物の顔に当てられていた焦点が、ふっと別の人物へ焦点移動していったり、望遠レンズによるボケ味を活用したり。
照明もエッジが効いていて陰翳を印象的に演出していく。物語の筋とはまた別のところで凝った表現があり、それが視聴者の無意識に働きかけスリルと臨場感を掻き立てる仕掛けとなっています。
視聴率こそ二桁には届きませんが、愛される個性的な作品となれば、視聴率という数字とはまた別の評価を手にでき、放送後も動画配信やDVDなどコンテンツとして生き続けることができる時代。ドラマ作品にとっても役者にとっても幸せなことでしょう。
テレビ東京に限らず、各局から丁寧に作り込まれ、こだわりのある個性的秀作ドラマが生まれ続けてくれることを願っています。
