国内

森友問題で命を絶った職員の妻告白「財務省は誠意を見せてください」

夫との楽しい生活から一転、「苦悩の日々」に(写真は2月17日の開廷後に会見する雅子さん)

夫との楽しい生活から一転、「苦悩の日々」に(写真は2月17日の開廷後に会見する雅子さん)

 森友学園問題で財務省近畿財務局職員赤木俊夫さん(享年54)が自殺して、間もなく3年になろうとしている。妻・雅子さん(49)はこう振り返る。

「夫は自ら命を絶った。もうすぐ3年になる。ある日、自宅を片付けていた私は、手のひらにおさまるほどの小さなメモ帳を見つけた。開くと『3/7』の文字。

『あっ、としくんが亡くなった日だ』

 あの頃、誰にも頼れず夫婦二人で苦しんでいた思いを、私はメモ帳に残していた。それは、夫が死に至る絶望の日々の記録だった」

 あれから3年。雅子さんが苦悩の日々をつづった初公開メモをもとに、彼女の思いを大阪日日新聞記者・相澤冬樹氏がリポートする。

 * * *
 世に知られる財務省公文書改ざん事件の物語。森友学園に格安で売った国有地の取引をめぐり、財務省は公文書を不正に書き換えた。当時の安倍(晋三)首相の妻、昭恵さんの名前をすべて消した。

 改ざんさせられたのは出先機関の近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん。妻の赤木雅子さんのメモ帳には、誠実な公務員が命を絶つまでの苦悩の日々が記されている。

 雅子さんは以前から、思いついたことをメモ帳に走り書きする習慣があった。森友学園問題が明るみに出る以前は、このメモ帳には夫との何気ない幸せな出来事ばかりが記されていた。

 筆致に暗い影が差すようになったのは2017年3月3日の記述から。

〈いったいとしくんはいつ帰ってくるのか。あれはたしか2/8頃はじまった森友学園の問題。1ヶ月近く、毎日タクシーだ〉

 この5日前の日曜日、俊夫さんは雅子さんと近所の梅林公園で過ごしていたところを上司の電話で職場に呼び出された。この時、最初の改ざんをさせられたのだ。

 その日を境に俊夫さんは心を病んでいく。暗くふさぎ込んで「内閣が吹っ飛ぶようなことやらされたんや」とつぶやく。でも詳しいことは語らない。

 5月12日の記述。

〈としくんが10日程前から様子がおかしい〉

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン