柴門ふみさん

マンガ『恋する母たち』の原作者・柴門ふみさん

柴門:まり(登場人物の蒲原まり。専業主婦。ドラマ版では仲里依紗が演じた)としては丸太郎(登場人物の今昔亭丸太郎。まりを口説く)もプロ不倫グループだと思って、まりの夫もプロ不倫っぽいから遠ざけておこうと避けるんですけど、プロ不倫に見せかけて丸太郎は本当にまりを好きだった。現実にはまぁいないでしょうが(苦笑)、漫画なのでファンタジーとしての希望を丸太郎に。

林:ドラマでも、阿部サダヲさん演じる丸太郎は魅力的でしたね。女ってうぬぼれが強いから、もしかしたら自分が最後の女になるかもしれないって、強く思ってしまうのかも。

柴門:丸太郎もそれまではずっと遊んでいたけれども、まり相手に最後には本気で恋をして。だけど、恋愛で失敗する女の特徴があるとすれば“自分だけ特別”と思い込んでしまうことだと思うんです。あの男はすごい遊び人だからやめておきなさいと、どんなに忠告されても私だけは違うのと突っ走ってしまう。不倫に限らず、それが間違いのもとに。

林:読者のみなさんは、優子さん(登場人物の林優子。部下と不倫をする。ドラマ版では吉田羊が演じた)の不倫にはどんな反応でしたか。

柴門:優子はみんな嫌いになるかなと思って主婦の友人にリサーチをかけたら、“ああなったら、しょうがないよね”って言うんです。あんなかわいい子が裸で立っていたら、それはやっちゃうでしょうって。

林:それはそうなっちゃうよね、って。スピンオフでは優子さんと赤坂君(登場人物の赤坂剛。優子の部下。ドラマ版では磯村勇斗が演じた)のその後が描かれて、“おれだってもう42だよ”という赤坂君の口説き文句が、印象に残りました。

柴門:赤坂は優子のひとまわり下なんです。でも40、50になれば、年の差なんてほとんどないと思う。

林:60と40の恋はナシ、かなぁ。

柴門:老けた40代の男と若く見える60代女性なら、アリよ。

林:それはアリかも。昔、藤田紀子さんが年下の医師を好きになったときに“52で人を好きになってはいけませんか”という記事の見出しがあったのを覚えているけれど、そのお嫁さんはいま56だったかな。

柴門:あぁ、(河野)景子さん。

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