韓国ロッテ系の通販サイトや小売店のおもちゃ売場で販売されており、韓国のネットには、「歴史的瞬間をブロックで再現できた」「子供が喜んだ」という購入者のレビューが散見される。平井氏が続ける。
「このブロック玩具は8歳以上が対象ですが、ブロックは400ピース以上で、子供がひとりで作るのは難しいはず。韓国で伊藤は悪の権化とされるので、親子でブロックを組み立てながら、安の“英雄伝”が親から子へ伝えられるのではないでしょうか」
反日玩具は人間だけでなく、動物のおもちゃとしても登場した。
それが「愛犬用アベマスコット」。犬や猫が噛みついて遊ぶマスコットで、片面に安倍晋三・前首相、もう片面に河野太郎・行革担当相(前外相)の似顔絵がプリントされている。
「日本の輸出規制に対抗して、2019年に韓国が始めた日本製品不買運動の最中に登場しました。輸出規制をした当時の首相、外相だった安倍氏と河野氏を模した商品で、販売元は『愛国心を高めて笑いを誘い、ストレスを解消する愛犬用マスコット』と謳っています。
すでに生産終了していますが、現在の菅首相と茂木外相は韓国内の知名度が低く“悪役キャラ”として扱いにくいのか、同様の商品は見当たりません」(平井氏)
もし、日本のメーカーが韓国大統領をモチーフに同様の商品を作ったら「たかが、おもちゃ」と笑って済まされるだろうか。
「相手の立場に立ち膝を交えれば、過去の問題も賢明に解決できる」──3月1日に行なわれた「対日独立運動記念日(三一節)」の式典で、文在寅大統領は冷え切った日韓関係の改善を訴えた。対日融和に舵を切った文在寅氏の「相手の立場に立ち」の言葉がむなしく響く。
※週刊ポスト2021年4月2日号