芸能

BTSを侮辱する“風刺画”騒動 米メディアはグラミー賞を猛批判

(写真/GettyImages)

グラミー賞で単独パフォーマンスを披露したBTS(写真/GettyImages)

 音楽界の最高栄誉とされる第63回グラミー賞にノミネートされながらも、受賞を逃した韓国の人気アイドルグループ「BTS(防弾少年団)」。授賞式の余韻に浸る間もなく、BTSに対する人種差別的な風刺画騒動が勃発したことで、SNSなどで抗議が殺到するなど全米で波紋を呼んでいる。騒動の影響やARMY(BTSファンの呼称)の反応について、ソウル在住のKDDI総合研究所特別研究員・趙章恩さんがリポートする。

 * * *
 3月14日に行われた今年のグラミー賞授賞式で、韓国人歌手として初めて「最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス部門」にノミネートされながらも、惜しくも受賞を逃したBTS。授賞式ではノミネート曲『Dynamite』の単独パフォーマンスを見事に披露し、改めてその存在感を世界に轟かせたものの、同部門を受賞したのはレディー・ガガとアリアナ・グランデの『Rain On Me』だった。

 BTSは、いまや世界を股にかけたグローバル・アイドルだ。米音楽界の主要アワードの一つである2020年「American Music Award」のポップ/ロック部門で2年連続「Favorite Duo or Group」を受賞し、「Favorite Social Artist」も3年連続で受賞、2020年の「Billboard Music Awards」でも4年連続「Top Social Artist」に選ばれ、いよいよグラミー賞受賞かと注目されていた。それだけに、今回のグラミー賞の結果にARMYたちはさぞ落胆しているかと思いきや、想像とは少し違ったようだ。

 受賞は逃したが、BTSが以前から目標にしていたグラミー賞で単独パフォーマンスができたことにARMYたちは大喜び。SNSでは、「韓国の歌手がグラミー賞で単独公演なんて信じられない。言葉にならない!」、「安定の歌声にダンスや舞台セットも素晴らしく、最高の公演だった」、「今年は受賞を逃したけど、来年こそはファンの声援に包まれながら受賞しなさいということだと思う」といった喜びの声で溢れている。韓国メディアも、「BTSの次の挑戦が楽しみ」、「アジア初の米国3大音楽賞受賞にはならなかったが時期が遅れただけ」「BTSはK-POPの跳躍に大きく貢献した」など、グラミー賞ノミネート自体快挙だとして、BTSの働きを高く評価した。

 アメリカでも、BTSのグラミー賞でのパフォーマンスは大きく取り上げられた。米大衆紙のUSA TODAYは、「残酷なほど正直なグラミー賞のパフォーマンスレビュー」というタイトルで、「BTSは壮大なソウルのスカイラインを背景に踊りながら、紛れもないカリスマ性と気を失いそうなほど素晴らしい歌声を持っていた」と絶賛。米PEOPLE誌も、BTSが2018年から一歩ずつグラミー賞に近づいていることや、「受賞を逃したことを失敗と考えていない」というメンバーのRMの言葉を紹介。「象徴的なダンスとファッションの才能を見せた」とし、BTSの前向きな姿勢とレベルの高いパフォーマンスを評価した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン