芸能

エリートが純粋に頭脳を競う知的ゲームに進化 「クイズ番組」の歴史

アップダウンクイズ

話題を呼んだ『アップダウンクイズ』(イラスト/斉藤ヨーコ)

 いつの時代もテレビのゴールデンタイムの主役であり続けているクイズ番組。コミュニケーションを深めたり、知識やひらめきを競い合ったりできるため、コロナ禍の自粛生活の気分転換に、一家で楽しんでいる人も多い。そんなクイズ番組は、いつ頃生まれ、どう変化してきたのか?

「戦後、GHQ傘下のCIE(※)の指導で、教養的な娯楽として米国や英国のクイズ番組をラジオに持ち込んだのが、日本のクイズ番組の始まりです」

(※民間情報教育局、Civil Information and Educational Section)

 そう話すのは、クイズプレーヤーの伊沢拓司(26才)。

 敗戦翌年の1946年にNHKラジオ第1で始まった『話の泉』が、日本初のラジオクイズ番組といわれている。

「これは、聴取者から寄せられた問題に博学博職の文化人がユーモアを交えて答えるもので、問題が採用されるのは1300通に1通。採用されたら30円、解答者が解答できなかったら50円の賞金が出され、18年間続きました」と語るのは、専門誌『QUIZ JAPAN』編集長で日本クイズ協会理事の大門弘樹さんだ。

「その後、読売新聞が1956年から日曜版で連載を始めた『ボナンザグラム』は、1950年代に米国で始まった新しい“伏字クイズ”です。当時はこれに応募する人たちで、郵便局があふれ返ったといわれています」(大門さん・以下同)

 そして、テレビにクイズ番組が誕生したのは1953年のこと。

「長年、『ジェスチャー』が日本初のクイズ番組といわれていましたが、弊誌が調べ直したところ、テレビ放送開始3日目に人気ラジオ番組をアレンジした『三つの歌』という番組が放送され、その後、初のオリジナルクイズテレビ番組として、『私の仕事はなんでしょう』が、放送されたことがわかりました。いずれもNHKの番組です」

 この第1次クイズブームの後、テレビの普及率が50%を超えた1960年代に第2次クイズブームが起こる。

視聴者参加型がタレント型へと移行

 民放では1963年の『アップダウンクイズ』(毎日放送)をはじめとする視聴者参加型の名物クイズ番組が次々に生まれ、1970年代まで隆盛を極める。

 第2次クイズブームには印象的な番組が多く、『クイズグランプリ』(フジテレビ系)や『ベルトクイズQ&Q』(TBS系)などの帯番組が誕生する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト