やりたい仕事を謳歌するドン小西氏(時事通信フォト)

やりたい仕事を謳歌するドン小西氏(時事通信フォト)

 4つの会社を1つにしたけど、あのままやっていれば年間10億はいけた。でも、金だけだと虚しさが出てくる。白米に塩かけただけのご飯を食べてるみたいな味気ない気分になるんだよ。朝起きて鏡を見ると、ほうれい線は出ているし、乳首は2センチは下がった(笑)。そういう自分が40代、50代の真似事をしてもしょうがない。自分の若い頃と張り合うことも意味がない。

 会社を減らすのにはずいぶん金がかかったよ。会計事務所にもすごい金額を払ったしね。時間もかかる。会社を作って、そして整理することは結婚と離婚に似てるよ。

 会社に限らず、自分に自信のない人ほど、いろいろなものを集めたり増やしたりするよね。僕はそういうモノも捨てた。昔は部屋の半分をいろんなモノが占めていたけど、50代の頃に勇気を出してすべて捨てたよ。偉い人が、名刺をなくしたらただのジジイになるってのを何度も見てきた。そうならないためには、ちゃんと「俺は何者だ」ということを人生の早いうちに気づくかどうかだよね。肩書とかいろいろ取っ払ったときに何もなくなってしまうのではダメ。

 仕事も人間関係も、今は要らないものは捨てて質を重視しています。毎晩パーティに顔を出して、お姉ちゃんをはべらせていた頃より、断然カッコいいと思っています。

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