国内

介護の闇を深くする「親戚コメンテーター」の被害届が続々

誰もが介護に携わり、介護される時代に(写真はイメージです=時事)

誰もが介護に携わり、介護される時代に(写真はイメージです=時事)

 人生100年時代が必ずしもバラ色ではない理由は様々ある。この4月から「70歳就業法(改正高年齢者雇用安定法)」が施行され、サラリーマンであっても70歳まで働くのが当たり前の時代に突入した。政府は「長く生き生きと働ける社会」とか「女性が活躍する社会」などと美辞麗句を並べるが、要は国民の多くが65歳から悠々自適の年金生活に入ってしまうと年金財政はすぐにもパンクしてしまうという苦しい懐事情からひねり出された「死ぬまで働け法」である。

 働くことが苦でない人にはそれでもいいが、多くの場合、人生の最終章は心身の不調や病との闘いが待っている。誰もが長生きする時代は、誰もが介護を受ける時代であると同時に、高齢者が超高齢者の親や親戚を介護するという老老介護時代でもある。

『週刊ポスト』(4月5日発売号)では、両親のどちらかが亡くなってしまった場合に、残されたもう一人の親をどう面倒みていくか、どう付き合っていくかを特集している。介護の相談のトップ3は、「認知症に絡む悩み」「遠距離介護に絡む悩み」「役割分担の悩み」だというが、そうした言葉では表しきれない多くの困難が背景にあって、この3つの悩みに集約されているというのが本当のところだろう。

 介護経験者なら「あるある」とうなずく厄介なもののひとつが「親戚コメンテーター」である。介護アドバイザーの横井孝治氏が解説する。

「介護の現場では様々な問題が起きます。義父母との関係悪化や、夫婦が敵対してしまうケース、介護者に対するセクハラなどもある。そうしたトラブルが持ち上がったうえに襲ってくるのが『親戚コメンテーター問題』です。介護の手伝いや支援は何もしない遠くの親戚がくちばしを挟んできて、テレビのコメンテーターみたいに言うだけ言うパターンです。例えば、夫の親を妻が介護しているケースで、夫の兄弟や義父母の兄弟たちが、『もっとこうしなさい』『ああしたほうがいい』とか、果ては『介護の仕方がダメだから、あんなにボケてしまったんだ』といった文句を言ってくるのです。

 だったらお前が介護しろ! という話なんですが、コメンテーターたちは口は出すけど手は出しません。そして介護する人のストレスだけが増していくのです」

関連記事

トピックス

石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
川崎春花
【トリプルボギー不倫の余波】日本女子プロ2022年覇者の川崎春花が予選落ち 不倫騒動後は調子が上向かず、今季はトップ10入り1試合のみ「マイナスばかりの関係だった」の評価も
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
「中野駅前大盆踊り大会」前夜祭でのイベント「ピンク盆踊り」がSNSを通じて拡散され問題に
《中野区長が「ピンク盆踊り」に抗議》「マジックミラー号」の前で記念撮影する…“過激”イベントの一部始終
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
『東宝シンデレラ』オーディション出身者の魅力を山田美保子さんが語ります
《第1回グランプリは沢口靖子》浜辺美波、上白石姉妹、長澤まさみ…輝き続ける『東宝シンデレラ』オーディション出身者たちは「強さも兼ね備えている」
女性セブン
9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン