超高齢化社会は「コメンテーター」の数も増える(写真はイメージです=時事)

超高齢化社会は「コメンテーター」の数も増える(写真はイメージです=時事)

 時々家に来ては嫌味だけ言って帰っていく義理の姉に「もやっ」としている奥さん、親の兄弟からあれこれ注文をつけられてノイローゼになってしまった旦那さんなど、ちょっと周りを見渡せばすぐに見つかりそうだ。こんな例がある。

 妻に先立たれた義父を介護する50代の女性は、医師から「あまりお酒は飲ませないように」と注意されたので、心を鬼にして義父が酒を飲みすぎないようにしていたという。すると、義父は実弟に泣きついた。女性にとっては義叔父にあたるその男性は、「兄貴は老い先短いんだ。酒くらい好きなように飲ませたらどうだ!」と突っかかってきて、女性はそのストレスでノイローゼ気味になってしまったという。

 東京に住む60代の元教員男性はこう告白する。

「オヤジは地方で小さな鉄工所を経営していましたが、10年前に隠居しました。オフクロと二人暮らしでしたが、突然、オフクロが倒れてそのまま亡くなってしまったんです。一人遺されたオヤジの落ち込み方は半端じゃなく、葬儀にも出られずに一日中座っている。私は三人兄弟で、話し合って長男がオヤジを引き取ることになったんです。ところが、オヤジは地元を離れたくないという。精神的に不安定だし家事もできないから、結局、施設に入居させることになりました。すると、親戚からは『お前たちは親ひとり面倒もみられないのか』『苦労して育ててもらったのに』とさんざん非難されて大変でした」

 ほかにも、「義母を介護していたが、近所に住む義姉がしょっちゅうやってきて、勝手に上がり込んでは二人で私の悪口を言っていた」(70代女性)とか、「本人の遺志もあって簡素な葬儀を出そうとしたら、親戚から『地元のしきたりに従え』とクレームがついて、仕方なく費用を出した」(50代男性)など、「親戚コメンテーター」の被害を訴える声は枚挙にいとまがない。

 遠くの親戚より近くの他人。介護の当事者になったら、うるさい外野はできるだけ無視するのが賢明だろう。

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