国内

ヤクザ独特の金銭感覚 香典1000万~2000万円、散髪のチップ100万円

令和時代のヤクザ社会を追い続ける鈴木智彦氏

ヤクザの“家計”までも研究する鈴木智彦氏

“カタギ”とはまったく違う世界に住むのがヤクザだ。当然ながら、その金銭感覚もまったく異なるものだ。このたび『職業としてのヤクザ』(小学館新書)を上梓した暴力団取材のプロ2人、溝口敦氏(ジャーナリスト)と鈴木智彦氏(フリーライター)によれば、ヤクザの“家計簿”は収入も支出もケタ違いだという。溝口氏と鈴木氏が解説する。

溝口:ヤクザの支出として大きいのは、「義理事」という慶弔交際費。やれ、誰それが何代目を継いだとか、誰それが刑務所から出てきたとか、あるいは誰それの葬式とか、そういうときに金が出ていく。

鈴木:ヤクザの慶弔交際費はとても高額です。

溝口:ヤクザに言わせると、出した金はいずれ自分に戻ってくる。自分のときには、自分が金を出した相手側が金を運んでくれるということで、貯金みたいなものだと、以前は言っていました。つまり、協同組合的な要素があります。要するに、われわれ個々の人間が不幸のときは助け合うとか、ヤクザ間の共済的な意味合いがあった。バブル期には慶弔交際費の金額は非常に膨らんでいました。

鈴木:以前は葬式だと、組としてとヤクザ個人として、二重に香典を包んでいました。しかし、組織が大きくなると単純に組員の数が増えるので、葬式も多い。だから、大きい組織と小さい組織が付き合っていたら、圧倒的に小さい組織から出ていく金が多くなってしまいます。慶弔交際費というのは、襲名式や葬式などに名を借りた組織の金集めですから、何かにつけて葬式をやりたがる。組員の親が死んだときまで呼ばれたりもする。

 そこで20年ぐらい前から、義理事においては個々の付き合いはやめ、組織と組織にしましょうとなりました。

溝口:組織と組員がそれぞれ出していたら、組が潰れてしまうと。

関連記事

トピックス

濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
暑くなる前に行くバイクでツーリングは爽快なのだが(写真提供/イメージマート)
《猛暑の影響》旧車會が「ナイツー」するように 住民から出る不満「夜、寝てるとブンブン聞こえてくる」「エンジンかけっぱなしで眠れない」
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン