国内

コロナ「英国型」は子供への感染も注意 地方での拡大に繋がる恐れも

発生から1年半近くが過ぎたが…(AFP=時事)

発生から1年半近くが過ぎたが…(AFP=時事)

 新型コロナウイルスの状況が新局面を迎えている。大阪での新型コロナウイルス新規感染者数が、東京を上回っているのだ(7日現在)。そして、大阪や兵庫、宮城などで猛威を振るうのが「変異ウイルス」だ。厚労省の発表によると、3月30日までに国内で累計678例の変異株への感染が確認されており、そのうち兵庫が181人、大阪が130人を占めた。東京が18人しかいないことを考えると、その数は抜きんでている

 なぜ東京から、地方都市に感染ホットスポットが移ったのか。1つは、「東京が危ない」と徹底的に警戒されてきたからだろう。緊急事態宣言の期間も東京が最も長かった。宣言の解除が早かった大阪などでは「気の緩み」が出た部分もあるだろう。

 もう1つは、前出の変異ウイルスの登場である。新型コロナウイルスの変異株には「英国型」「南アフリカ型」「ブラジル型」などがあり、いま、日本国内で感染が拡大しているのが英国型だ。先の厚労省の調査でも、国内事例678例のうち英国型が627例を占め、南アフリカ型が15例、ブラジル型は36例だけだった。これまで、新型コロナによる子供への感染リスクは低いとされていたが、英国型は子供にも猛威を振るうという。

 米最大級の健康ポータルサイト「WebMD」は、ミシガン州では乳幼児から9才までの低年齢層の感染者数が2月19日以降、230%以上も増加し、「従来型に比べて子供間での攻撃率が高く、ウイルスに触れたときの感染率も高い」と報告している。

 前述の厚労省の調査でも、感染者678人のうち、10才未満が12%を占め、40代に次いで2番目に多かった(変異株全体の調査結果)。従来型を含む感染者全体でみると、10才未満の感染者は3%にとどまる。

 子供への感染も「第4波の拡大に拍車をかける」と語るのは、昭和大学客員教授(感染症)の二木芳人さんだ。

「子供は感染しても無症状のケースが多い。その無症状の子供がいままで以上にウイルスをたくさん持つようになる可能性は否定できません。従来型以上に、子供を介して感染が拡大することが懸念されます」(二木さん)

 国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんが指摘する。

「無症状が多いことに加えて、子供は自分で正確に症状を伝えられないことも考えられます。学校や保育所、幼稚園など、子供の活動状況に、より警戒が必要です。塾やお稽古事もオンライン化が進んでいますが、個室のマンツーマン授業や、大声を発することが多いスポーツの部活動や合唱、その他、換気の悪い狭い部屋で密になる環境での活動は、子供とはいえ避けた方がいい」(一石さん)

関連記事

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン