さらに、もう1つ見逃せないポイントは、番宣出演での活躍が期待できること。もちろん重要なのはドラマでの演技ですが、その上で番宣に貢献できることが芸人たちを起用するメリットの1つになっているのです。
たとえば、バラエティのトークやゲームにしても、情報番組への生出演にしても、芸人が一緒に出演することで主演俳優たちのサポートが可能。これは人力舎の芸人に限ったことではないものの、演技力と番宣の2つが期待されていることは間違いないでしょう。
期待を集める『THE W』女王の吉住
TBSを筆頭にドラマ出演が増えた人力舎の芸人たちは、お笑い好き以外への認知度がグンとアップ。東京03のような「ライブが即完売」「CM出演が増える」などのさらなる成功につながるケースも見られるようになっています。
その意味で今後の期待は、昨年12月14日に生放送された『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)で4代目女王に輝いた吉住さん。一人コントで見せる演技力はネタの完成度と同等レベルの評価を得ていますし、昨年からのラブコメブームで女性芸人の出演チャンスが増えるという追い風もあります。現在31歳の吉住さんは演じられる役柄の多い年齢であり、もはや「いつどのドラマに出るか」の秒読み状態ではないでしょうか。
メリットばかりでデメリットがほとんどないことから、今後もTBSを中心に各局は人力舎の芸人たちを起用し続けるでしょう。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。