いまなお語り継がれる名シーンは1983年の1月、山形県の最上川で撮影された。撮影に「力は貸せない」と言っていた山形県だが、このシーンだけは「地元の大江町役場が、筏の再現から船頭さんの手配まで全面的に協力してくれることになった」(橋田壽賀子さん『人生ムダなことはひとつもなかった』(大和書房)より)
辛抱に辛抱を重ねる少女
小林綾子は500人のオーディションから選ばれた
佐賀の旧家の息子・田倉竜三と結婚した後も、姑との確執や、夫の事業の失敗、子の死産、敗戦とおしんの試練は続く。しかしどんなときでも前を向き「(飢え死にする)つもりになったら、どこでだってなんだってできる」と強い気概で飯屋や行商など職を変えながらたくましく生きていく